【書籍紹介記事】筋肉の治療に新たなアプローチ!「はじめてのトリガーポイント鍼治療」
医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。
目次
「トリガーポイント」って何?
鍼灸師ならば一度は聞いたことがある「トリガーポイント」という言葉。
しかし、「トリガーポイントとは何か」ということについて、正確に説明できる人はそれほど多くないのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、「はじめてのトリガーポイント鍼治療」です。
トリガーポイント治療についての入門書であり、診察から治療までわかりやすく解説した一冊です。
✔️ トリガーポイントについてきちんと知りたい人
✔️ 治療効果が出せず悩んでいる人
✔️ 筋肉についてスペシャルな知識を身につけたい人
「はじめてのトリガーポイント鍼治療」の概要
全身の7割近い筋肉は、実際に痛みの原因である箇所とは違う部位に痛みを引き起こしている!
腰下肢痛、膝痛、頚部痛、肩痛という4大症状について、その原因となっているトリガーポイント(TP)をどう検出し、刺鍼するか、写真や筋の断面図とともに解説。触診すべき部位が一目でわかり、触診の仕方や刺鍼の方向・深度なども具体的に記しているので、臨床の場で即試せる内容になっている。
TP鍼治療の入門書。
収納コンテンツ
第1章 トリガーポイント鍼治療がなぜ必要なのか?〔総論〕
第2章 トリガーポイント鍼治療における検査法
第3章 トリガーポイント鍼治療の方法
第4章 姿勢とトリガーポイントの関係
第5章 治療編
5-1 トリガーポイントと腰下肢痛
5-2 トリガーポイントと膝痛
5-3 トリガーポイントと頚部痛
5-4 トリガーポイントと肩痛
トリガーポイントの基礎知識から診察、治療までSTEP形式で解説
痛みの引き金(trigger)となる点(point)のことであり、筋肉の痛みを起こしている原因部位であると考えられているトリガーポイント。
「従来の治療法でなかなか効果が得られないケースに、トリガーポイントが関わっている可能性がある」
そう教えてくれるのは、本書の著者で、トリガーポイント研究の第一人者である伊藤和憲先生です。
トリガーポイントとは何かという基礎知識に加え、著者が実際の臨床で行なっている診察、治療法が惜しみなく公開された本書。
その特徴は、トリガーポイント鍼治療の経験がない鍼灸師でも実践できるように、診察から治療まで、わかりやすく単純化して解説されていることです。
- 痛みの原因の鑑別
- 原因となる筋肉の見極め方
- トリガーポイントの見つけ方
- 刺鍼の方法
これらが、統一されたSTEP形式でまとめられています。
さらに、原因となる筋肉ごとに、トリガーポイントの具体的な位置を示しながら解説されているので、知りたい部位についてすぐに調べられるようになっています。
待合室での患者の姿勢から原因となる筋肉を判別する方法など、臨床に役立つ知識も満載。
必要な徒手検査、ホームエクササイズも解説され、これ一冊で治療のすべてが網羅された充実の内容になっています。
鍼灸師の強みが活かせる!トリガーポイント鍼治療には多くのメリット
トリガーポイントへの治療には、物理療法、ストレッチ、マッサージ、注射などさまざまな方法があります。
その中で鍼治療のメリットとして、
- 患者に与える痛みが少ない
- 深部の筋肉にも簡単にアプローチできる
- 短い治療時間で高い効果が得られる
- 副作用が少ない
- 低コストである
これらが挙げられています。
教科書的には、筋肉が原因とされる疾患は、筋・筋膜性腰痛などごくわずか。
しかし、骨に起始・停止している筋肉は、動作に伴う症状や骨格形成にも大きく関与しています。
実は、筋肉が原因で起こる痛みや疾患は、私たちの想像以上に多く、トリガーポイントの適用範囲は広いと著者はいいます。
つまり、筋肉に毎日触れ、治療を行なっている鍼灸師の活躍が期待される治療法なのです。
臨床で日々遭遇する筋肉の痛みをどのように理解し、どのように治療するのか。
トリガーポイントというテーマのもとに、筋肉治療のスペシャリストとして身につけたい知識がふんだんに詰まった一冊です。
「はじめてのトリガーポイント鍼治療」まとめ
・トリガーポイントへの治療は鍼灸師の強みが活かせる
・筋肉治療に必要な知識が満載
鍼灸師の強みが活かせるトリガーポイント鍼治療。 今までの治療法で効果出せずに悩んでいる人、違ったアプローチを模索している人におすすめの一冊です。 ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。