【書籍紹介記事】肩の治療で結果を出せる!「つなげる!バイタルショルダーコンプレックス」
医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。
目次
肩の治療を強みにできる!確かなテクニックがあなたの手に
治療に訪れる人の訴えで、肩の痛みや不調は、最も多いものの1つです。
しかしながら、肩の治療は難しい、と感じている臨床家は意外と多いのではないでしょうか。
今回紹介するのは、そんな肩領域の治療に自信が持てる1冊、「つなげる!バイタルショルダーコンプレックス」です。
本書では、肩の問題について、その構造や全身とのつながり、評価手順、治療テクニック、自宅でできるエクササイズまで、すべてを学ぶことができます。
臨床家なら身につけておきたい知識やテクニック満載です!
✔️ 肩領域の治療に苦戦している臨床家
✔️ 肩の痛みや不調に悩む患者やアスリート
✔️ 関節や筋などの学習に苦手意識を持っている学生
「つなげる!バイタルショルダーコンプレックス」の概要
もうムダな治療はしない!
このテクニックで肩の苦痛から解放される
弊社既刊「強める!殿筋」「骨盤と仙腸関節の機能解剖」の著者である、英国オックスフォード大学で教鞭をとるJohn Gibbons執筆の書籍です。
多くの患者さんやアスリートが悩まされている部位である肩関節。本書は、肩関節について、解剖学、運動学、安定性に影響をおよぼすマッスルインバランスと筋膜、運動連鎖など多くの観点から、肩関節機能障害に対する理解を深めることができる1冊です。
「治療は簡潔に」が著者のモットー。「治療家は理論的な方法で探偵のように手がかりを見つける」という著者の言葉通り、本書では手順を追って、肩関節の複雑な構造から全身の繋がりを解説しつつ、豊富な図解と写真で、理論的に肩複合体の問題を解き明かしています。
症例も数多く紹介し、肩複合体の評価手順や、マッスル・エナジー・テクニック、自動的・他動的運動を用いた軟部組織リリース、テーピング・テクニックなど、さまざまな治療戦略について、アスリートまでも対象とする運動療法を含む治療体系としてまとめ上げられています。
治療後に、患者さんやアスリートに家で行うように勧めることができるリハビリテーション・エクササイズも紹介しています。
本書を通じ、治療家として「肩の領域で何が起こっているのか」の理解を深め、それに対して何ができるのかを明確につかむことで、この先多くの患者やアスリートの問題を解決することに実用的にお役立ていただける書籍です。
収納コンテンツ
1. 肩複合体の機能解剖学
2. 肩複合体の筋と動作
3. 姿勢、筋膜スリング、インナー・ コア/アウター・ コア
4. 歩行と肩複合体の関係
5. 肩の病理学の鑑別診断
6. 肩複合体に対する頚椎と神経の関係
7. 肩甲骨上角部の疼痛に対する鑑別診断
8. 肩複合体に対する骨盤、仙腸関節、殿部の関係
9. マッスル・エナジー・テクニック(muscle energy technique: METs)と肩複合体へのつながり
10. 肩複合体と頚椎の筋の伸張検査
11. マッスル・エナジー・テクニック(METs)を用いた肩と頚椎の治療
12. 肩と頚椎の病理
13. 肩複合体の評価
14. 肩複合体に関する特殊検査
15. 肩複合体の治療プロトコル
16. 肩複合体の筋膜軟部組織治療
17. 肩と頚椎に対するアスレチックテーピングとキネシオロジーテーピングのテクニック
18. 肩複合体のためのリハビリテーションとエクササイズのプロトコル
付録1 機能不全検査表
付録2 肩の安定化エクササイズシート
痛みの原因は内臓やお尻にも!?複雑で魅力的な肩複合体
「痛みのあるところに問題はない」
著者が繰り返し引用するこの言葉は、本書を読む上で非常に重要なキーワードです。
本書の中で、著者は、肩に関連するありとあらゆる関節や筋などを丁寧に解説し、痛みの原因を解き明かしてくれます。
肩領域に存在する数多くの関節や関連する構造物。
肩から遠く離れた骨盤の安定性や仙腸関節、殿筋。
胆嚢や肝臓、肺がん、心筋梗塞など見逃してはいけない重大な疾患。
それらが肩の痛みに関係するメカニズムを、豊富な知識や症例を元に解説していきます。
しかし、決して難しい解説本になっていないことが本書の魅力です。
「肩複合体について、読者がよりよく理解できること」が目標、「さらに重要なのは、本書を楽しんで読んでくれることだ」と語る著者。
その言葉のとおり、一貫して、読者がわかりやすいように、語りかけるように書かれています。
解剖学的な基礎知識も著者にかかれば、いきいきとした動きをイメージすることができ、自然と夢中になって読んでしまいます。
写真やイラストが多く使われていることもわかりやすいポイント。
今まで、学校の教科書やほかの参考書では、理解できなかった、覚えられなかった、という人にもおすすめです。
マッスル・エナジー・テクニック(METs)をはじめ、マスターしたい治療テクニックが盛りだくさん!
本書の後半では、実際に患者さんを診るときの評価方法や治療テクニック、リハビリ、エクササイズについて解説されています。
その中でも、特にマッスル・エナジー・テクニック(METs)は必見。
短縮して緊張しがちな筋を正常な状態に戻すこのテクニックは、可動性を大きく向上させ、肩関節の機能不全を改善するために大いに役立つと著者はいいます。
読者が自分の身体でMETsを体験できる、母指内転筋を例にした簡単な練習も紹介されているので、ぜひ試してみてください。
実際にやってみると、手技が決して難しくないことがわかり、そして、その効果に驚くことでしょう。
ほかにも、明日の臨床からすぐに取り入れられそうな筋膜リリースの一つである筋膜軟部組織治療や、シンプルで効果的なテーピングテクニックも紹介されています。
リハビリテーションとエクササイズも、写真を多く使って解説されているので、とてもわかりやすくなっています。
特に、器具を必要としない、いつでもどこでも行うことができるエクササイズは、アスリートではない一般の患者さんも取り入れやすいのでおすすめです。
「つなげる!バイタルショルダーコンプレックス」まとめ
・多岐にわたる肩の痛みの本当の原因を解き明かしてくれる
・評価、治療、リハビリのテクニックが詳しく解説されている
痛みや不調を訴える患者が多い反面、十分な治療結果を出すことが難しい肩の問題。 そんな臨床家の悩みを解消し、確かな治療テクニックが身につけられる本書は、まさに肩治療のバイブルです。 ぜひお手に取ってみてください。