「美顔率」を学びたい!黄金比率の魅力顔へー解剖機能からの美容鍼ー 土門奏先生にインタビューしました!
自然治癒力を高め、人々の心身の健康に貢献する鍼灸。科学的な検証も進み、顔のシワ・たるみなどに悩む一般の人からの美容鍼灸への関心もますます高まっている中、土門奏先生の書籍「美顔鍼 美顔率と解剖機能からのアプローチ」は、発売以来、美容鍼灸を学び臨床行う多くの治療家に大変好評のロングセラーとなっています。
顔のシワ・たるみなどを訴える患者への美容鍼治療を、社会心理学で研究が進められている顔の黄金比率と、解剖機能からのアプローチで解説した本書について、もっと知りたい!の多くの声にお応えして、この記事では、書籍の内容紹介と、
魅力的に見える顔とは?
「美顔率」とは?
について、土門奏先生にインタビューしました!
書籍『美顔鍼ー美顔率と解剖機能からのアプローチー』について
著者である土門先生は、顔について、体の他の部位のように筋力や可動域のような運動学的治療効果のみを目指す部位ではなく、人間の深層心理で誰が見ても素敵な顔と思わせる「顔の黄金比率」に筋トーヌスを調整する治療が必要であると捉え、本書では、顔面機能解剖の加齢に伴う変化に加え、顔の心理学・社会学的影響を考慮した美顔鍼の方法を説明しています。
皮膚、筋肉、筋膜等の機能解剖からのアプローチで美容鍼灸の治療法を解説し、シワ、たるみの原因から、美顔率の解説、美顔率を目標とした美容鍼灸の治療法を記載。治療法では、診察法および顔面の筋肉の拘縮度の評価方法、筋力と筋肉の代償運動を評価する徒手検査も写真付きで詳しく説明しています。
論理的な解説でシワ・たるみの原因や、顔面の筋肉や皮膚の構造を理解できると同時に、臨床に取り入れられるテクニックが豊富に詰まった内容になっています。
また、患者さんへの説明、指導の章では、インフォームド・コンセントやセルフトレーニング、予防法、スキンケアアドバイスを記載。患者さんが自らの問題に正面に立ち向かえるようになり、QOL(Quality of Life)を高めようとする意識のきっかけとなるための指導法が解説されています。
本書は、患者さんの持つ愁訴の原因を自分で理解し治療を行うための、美容鍼治療のバイブルとしてぜひご活用いただきたい1冊です!
土門奏先生のご紹介
国際鍼灸専門学校、筑波大学理療科教員養成施設卒業。日本医学柔整鍼灸専門学校専任教員、筑波大学理療科養成施設理療診療部専攻生・研究生、筑波大学大学院体育総合実験棟トレーナーズクリニックを経て、2008年に土門治療院を開業。現在、国際鍼灸専門学校非常勤講師。著書に『美顔率[マッサージ&トレーニング]』(ベースボールマガジン社)、『10歳若返る「顔グセ直し」』(講談社)、『シワ図鑑』(講談社)などがある。
土門 奏 先生
美顔鍼 ー美顔率と解剖機能からのアプローチー
土門奏先生にインタビューしました!
――機能解剖学からアプローチされるようになった、きかっけをお伺いできますでしょうか?
土門 開業してすぐに、美顔鍼をしてほしいという患者様のご要望がありました。施術方法を考えるにあたり、そのころは美顔鍼について参考にする資料が少なく、苦労しました。私は筑波大学理療科教員養成施設の理療臨床室で、西洋医学的な理論で鍼灸を学んでいましたので、シワ・たるみの原因をその方向性で調べていったのがきっかけです。
――土門先生が美容鍼(美顔鍼)の施術をする際に、意識していること、大事にしていること、または注意事項を教えてください。
土門 必ず、患者さんの悩みを質問紙にて聴取して、一番悩んでいる箇所からお話を聞くようにしています。
施術者の思い込みを排除できますし、患者さんと治療目的を明確化し、共有しやすくなります。問診や検査でシワ・たるみの原因をみつけ、説明し、セルフケアのマッサージやトレーニングをお教えしてから、鍼治療をすることを大切にしています。
患者さん自身が原因を理解すると、それを改善しようとセルフケアを頑張る原動力にもなります。患者さんの状態を観察せず、いきなり鍼をすることはいけません。注意してください。
――本書を出版されてから、この数年で美容鍼の変化、または土門先生ご自身が「美容分野」に対する関心について何か変わったことはあります?
土門 美顔鍼を始めた当初から、心理学的に魅力的に見える顔を目標に治療を行っています。魅力的に見える顔は、年齢や性別、時代や流行に左右されないものですので、変わらず続けています。
治療者自身が患者の愁訴の原因を突き止めることが重要
――ズバリ、土門先生の独自の美顔鍼メソッドである「美顔率」について教えてください。
土門 「美顔率」とは、黄金比率の顔の位置を目標とする美顔鍼治療、トレーニングとマッサージなどをいいます。
顔の研究の世界では、写真の顔を何人も平均していくと、魅力度の高い顔になるという心理学的研究が多くされています。
若い人の平均顔のほうが魅力度が高く、その顔の比率が黄金比率に近いといわれています。
ほうれい線が、口角が下がって広がっていることが原因でできたとしても、際限なく口角を上げたり寄せたりすると、変な顔になってしまいますよね。黄金比率の顔に合わせて治療をすることによって、ただ口角が上がるだけでなく、若い顔の平均の位置に戻り、さらに、魅力度の高い顔になっていきます。
患者さんはシワ・たるみにかなりストレスを感じていると思いますが、心理学的に若い顔、魅力的な顔をお教えして、治療でそれを実践していくと、正しい知識によりエイジングによるストレスを軽減でき、QOLを上げることができると思います。
――本書の「はじめに」に書かれていたように、土門先生のように患者さんの要望に応えたいという気持ちで美顔鍼の勉強をはじめる治療家は多いと思います。そのような治療家へ伝えたいメッセージはございますか?
土門 美顔鍼をしたいと来院される患者さんの多くは、加齢に伴って起きる予期せぬ出来事に、傷ついていらっしゃる方が多いです。
年を取らない人はいませんので、気持ちよく年を重ねていきていけるためのお手伝いをしているという気持ちを忘れないように。美顔鍼がしたい、からするのではなく、人を助けたいという気持ちで行ってほしいなと思います。
――この度は貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。土門奏先生は、本書内で「治療者は患者に年齢による老化現象は自然なことであるとして素直に受け止めてもらいながら、訴えが改善することによって内面から若返るようなライフスタイルを組み立てる手助けをする必要がある」と語られています。患者さんの気持ちに寄り添った治療から土門先生が考案された美顔率による施術は、この先も多くの患者さんの人生を豊かにすることでしょう。
土門奏先生の「美顔鍼」書籍DVDはこちらから
美顔鍼 美顔率と解剖機能からのアプローチ
著者:土門奏
美顔鍼実演DVD
出演・監修:土門奏
美顔鍼治療を動画でより実践的に学べる!
本DVDは、『美顔鍼―美顔率と解剖機能からのアプローチ―』の治療手順解説パートを、映像でよりわかりやすく紹介しています。