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とても知りたい!世界の医師が認めるYNSAについて、加藤直哉先生にインタビューしました!

公開日:2022年8月12日

このたび新刊書籍「YNSA症例集 山元式新頭鍼療法実践ガイド」を発行しました。

国内よりも海外でよく知られているYNSA。その治療効果の高さから、今や、医師や歯科医師、鍼灸師、獣医師など、世界で数万人以上の治療家が実践する治療法となっています。

たとえばブラジルでは、YNSAは保険適用されており、この治療法の普及と効果に伴い国の医療費が削減されたことから、YNSAの考案者である医師山元敏勝氏はブラジル政府から表彰を受け、サンパウロには、山元氏の名前を冠した国立病院が建てられているほどです。
そのYNSAについて、

YNSAについて知りたい

施術に取り入れてみたい

と考える治療家の方々のたくさんの声にお応えして、新刊「YNSA症例集」の4名の著者のひとり、一般社団法人山元式新頭針療法(YNSA)学会代表理事の加藤直哉先生にインタビューしました!

YNSA®とは

YNSAとは、宮崎県の医師 山元敏勝氏が考案した山元式新頭鍼療法=Yamamoto New Scalp Acupunctureの略称です。 運動器疾患、神経疾患、内臓疾患を含め、ほとんどの疾患・症状でみられる身体的な反応(診断点)には、対応する治療点が頭部にあるという考えが根幹を成す新頭鍼療法です。

山元氏がYNSAを初めて公表したのは1973年。山元氏が長年にわたる臨床と研究を積み重ねて確立した、首や肘にある独自の「診断点」を用いて、圧痛や硬結といった反応を探り、その「診断点」に対応した頭部の「治療点」に刺鍼する治療法です。1970年代から現在に至るまで、さまざまな症例に対して世界中で成果を上げています。

主な「治療点」は、5つに分類され、シンプルで分かりやすいことが特長です。基本的な治療過程がマニュアル化されていることから再現性が非常に高く、置鍼が基本となっているため初学者も取り入れやすい鍼療法です。

また、頭部への刺鍼で治療が完結するため、患者さんが衣服を着脱する必要がなく、座ったまま治療ができるといった点は、患者さんへの負担を軽減し、治療家へも大きなメリットとなっています。

山元氏がこの治療法を発表した当初、大きな関心を示したのは、日本よりも海外であり、最も早くからその価値に気づいたドイツでも、現在は一部の疾患において保険適用される治療法となっています。また、オーストラリアでは、シドニー大学医学部で2009年からYNSAの授業が開始されています。

世界におけるYNSAの普及状況からすると、発祥国である日本においては、国外に比べて認知度が低く、この鍼療法を継承する治療家もまだ少ないという現状から、発祥国である日本でのYNSAのさらなる普及と、一人でも多くの日本人治療家にその技術を伝えるために、一般社団法人山元式新頭針療法(YNSA)学会が創設されています。

YNSA考案者 山元敏勝氏のご紹介

日本医科大学卒業。インターン終了後、渡米し、コロンビア大学で麻酔科を専攻。その後ドイツのケルン大学で産婦人科を専攻。1966年ドイツより帰国後、宮崎県で山元医院を開業。1982年、医療法人愛鍼会山元病院を開設。その後、山元病院付属東洋医学研究所を開設。1998年、山元リハビリテーションクリニックを開設。

現在、医療法人愛鍼会理事長、一般社団法人山元式新頭針療法(YNSA)学会名誉会長、国立イタリア代替医療センターYNSA治療医学講座客員教授、国立ブタペスト大学付属山元研究所名誉所長他。

YNSA考案者 山元敏勝医師の刺鍼の様子

「YNSA症例集」著者、加藤直哉先生のご紹介

琉球大学医学部卒業。新生児特定集中治療、重症心身障害児施設などの勤務を経て小児科専門医を取得。その後、内科・ペインクリニック・老人保健施設で数年経験し、0歳から100歳まですべての年齢に対して西洋医学的経験を持つ。

山元式新頭鍼療法の創始者 山元敏勝医師から東洋医学を、久留米大学名誉教授 無敵剛介医師から漢方を学ぶ。

2020年、統合医療クリニック「こもれびの診療所」を東京都荒川区に開院。西洋医学・東洋医学・心理療法・催眠療法・補完代替療法の5つの知識・技術・経験を活かし、西洋医学のみでは対応できない患者さんへ希望の光を与えるべく治療にあたる。

日本小児科学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、米国催眠士協会認定セラピスト、一般社団法人山元式新頭針療法(YNSA)学会代表理事。

一般社団法人山元式新頭針療法(YNSA)学会

代表理事 加藤直哉先生

加藤直哉先生にインタビューしました!

――加藤直哉先生が、数ある治療法の中からYNSAを選択したきっかけや、理由を教えてください。

加藤 私自身が子供のころに野球肘となり、それを治してくださったのが、西洋の医師で東洋医学にも精通している現在でいう統合医療の先生でした。それまで様々な治療を2年近く行っても改善が見られなかった中でした。治してくださった先生と、その治療の効果に対する感動と経験から、私も医師になり、西洋医学、東洋医学を駆使して患者さんを治せる医者になりたいと考えるようになりました。

どこで修業をしようかと考えていた時の私の条件は2つ。「世界で認められている技術であること」、そして「人間的に尊敬できる治療家のもとであること」。この2点の条件にまさに合致した修業の場が、山元敏勝先生の作られたYNSAとその治療現場でした。実際に見学に行かせていただき、あまりの効果の高さにとにかく驚き、すぐに弟子入りを決意いたしました。

――山元敏勝氏の魅力とお人柄を教えてください。

加藤 いつも、どんな時も「いいが、いいが(宮崎弁で良い良い、の意味)」と笑顔であり続ける先生です。山元敏勝先生と出会って十数年、一度たりとも患者さんはもちろん、スタッフにも弟子の私にも怒ることはありませんでした。また自分を自慢することなく、また人に優劣をつけ差別することもなく、いまでも私が心から尊敬する医師であり、師です。

以下具体的な施術についてお尋ねいたします!
――YNSAは座位での治療が基本となっていますが、他の姿勢で施術する場合もありますか?

加藤 基本は座位ですが、臥位でやることもあります。

――YNSAは患部とは別の場所に鍼をしますが、患者さんへの説明に難しさを感じた事はございますか?

加藤 こもれびの診療所に来院される患者さんは、YNSAを希望してきてくれる方がほとんどなので、特に説明を改めてすることは現在ありません。初めて頭皮鍼をする患者さんには、YNSAの書籍内の図解をお見せしながら治療の説明をしている先生もいらっしゃるようです。

――加藤先生が治療を行う際、YNSA以外の施術方法も併せて取り入れる事はございますか?
もしあるようでしたら、どのような場合ですか?

加藤 私は、患者さんが笑顔になるのなら、どんな治療方法でもよいと思っています。よって、自分の知識の限りを使って、その時ある最高のもので患者さんを笑顔にするように努めています。つまり、現時点での加藤の知識と技術の全て、ということになりますでしょうか。

――YNSAのシンプルな治療手順にとても興味を持ったのですが、基本的な手順としては、合谷診で反応があった側の上腕で上腕診を行い、そのまま上腕診を行った側の治療点に鍼をするという理解でよろしいですか?

加藤 よろしいかと思います。

――合谷診の際、左右の反応と患部の関係について、お尋ねします。
「YNSA症例集」の中に、「脳梗塞患者では麻痺側の対側だけでなく、麻痺側と同側の治療で改善する症例もある」とありました。疾患により、患部と同側、反対側があるのではなく、合谷診で反応のみられる側を治療するという事でよろしいですか? 例えば、「左側に腰痛」の場合でも、人により治療点は同側か対側か変わる事になりますか?

加藤 そうなります。

――合谷診で左右の判断に自身が持てない際、両側を治療する事はございますか?

加藤 それは基本的に技術不足なので、ぜひセミナー等で学ばれるのがよいかと思います。

山元敏勝氏の治療風景

――YNSAを学ばれる先生方は、だいたいどれくらいの期間で習得されるのでしょうか。習得の際のポイント、注意点など、アドバイスをぜひお願いします!

加藤 早い方は6か月程度で自分のものにされます。もともと日本人は手先が器用です。この治療法は、外国であれだけ成功しているのですから、繊細な日本人ならまったく難しくありません。
ぜひ一緒に学びましょう。

――他の治療法とも組み合わせやすいとの特長があるYNSAですが、座位ではない他の治療法(経絡治療、局所治療など)と併せて導入する際に、気をつけるべき事はありますか?
例えば、仰臥位、伏臥位ではのぼせやすいなど。

加藤 YNSAは、どの治療とも相性が良いです。先生方が持たれている全ての治療と組み合わせて構いません。またどの体位でも可能です。
ぜひ、目の前の患者さんの笑顔のためにYNSAをご活用ください。

――最後に、加藤先生のお考えになるYNSAの最大の魅力を教えてください!

加藤 脳と自律神経に速やかにアプローチできる点です。

ストレスの多い現代社会の医療において、痛みやストレスに大きく関係する「脳」と「自律神経」を無視しての治癒はないと思っています。

これまで通常の治療ではこの改善は難しいと言われてきましたが、YNSAは「脳」と「自律神経」へのアプローチこそ最も得意とします。よって、どのような場合であっても非常に有用の治療法だと考えます。ぜひ上手に使ってください。

――お忙しい中、貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。

いかがでしたでしょうか。新刊「YNSA症例集」の発行にあたり、YNSA考案者 山元敏勝氏から「YNSAを多くの方々に知っていただき、それによって多くの人が病から救われること願っています」との辞が寄せられています。世界中で臨床と研究が積み上げられ、多くの患者さんの助けとなってきたYNSA。今回のインタビューは、40年以上もの歴史があるその技術を、山元氏の想いも併せて継承されている加藤直哉先生の、温厚篤実であり、情熱を持ったお人柄を感じることができる時間となりました。本記事が、多くの治療家の皆様にYNSAをさらに知っていただく機会になれば幸いです。

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YNSA症例集 山元式新頭鍼療法実践ガイド
 監修 : 山元敏勝
 著者 : 加藤直哉、冨田祥史、丹羽祐子、高橋沙世

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 出演: 山元敏勝

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