公益社団法人東洋療法学校協会編「社会あはき学 第3版」を刊行しました
第2版から、データや関係法令など現状に即した数値、年号などに加筆・修正を行いました。
「社会あはき学」は、社会の健康課題に対して鍼灸・あん摩マッサージ指圧などの東洋療法をいかに活用し、貢献すべきかを学ぶ分野です。
本教科書には、あはきに関する歴史から現代の制度に至る背景、実際にあはき師になって関係しうる役割や、症状への理解、経営についてなど、総合的に細かくも簡潔に記してあります。また、東洋療法が貢献すべき課題として、高齢者や小児、女性における健康課題からスポーツや美容の分野など多岐にわたって学べるよう論じています。
現在の本業界では、特に地域包括ケアといった介護医療について関わるあはき師の方も多いのではないでしょうか。いざ保険医療に携わると思っても、在宅や保険制度下での施術は考えていたものと少し違ったと感じる場面も少なくないようです。
ストレスを抱えることが多い現代では、社会的にあはき師に期待される能力や役割も大きく変わり、施術のみにこだわるのではなく患者様のトータルケアも求められるようになってきています。免許を取ってからは、皆プロと認められるため、知識の引き出しを増やしておくことや、時代の移り変わりとともに変化する人々の健康ニーズに対応していく力を身につけることも重要です。
主に授業で活用される教科書であり、学生の方々は初めはイメージしづらいかもしれませんが、治療家として現場に出てみると、わからないや不安なことは多く出てきます。そんな時に改めて教科書を読み返すことで解決できたり理解が深まることも多々あることです。
執筆の先生方の熱意によって加筆・修正された本教科書によって、あはき師を目指す方々が、現状を俯瞰してとらえる力と、今後の医療を取り巻く環境の変化に応じて自ら発展する力をつけていかれることでしょう。