鍼灸師の資格を持つ歯科医師が提案するデュアルキャリアアスリートの形
11月25日、芸能人がパリ五輪出場を目指すアスリートとスポンサー契約を締結した。コロナ禍によって競技活動を断念せざるを得ないアスリートの問題に対し、企業に勤めながら競技活動を行う、「デュアルキャリアアスリート」としての一つの解決策を提示する。
11月25日、合同会社潤一は記者会見を開き、陸上競技・投擲円盤投げの安藤夢選手とスポンサー契約を締結したことを発表。同社は、サッカー選手の本田圭佑氏のモノマネで有名な、芸人のじゅんいちダビッドソン氏が代表を務めている。また、安藤選手の専属トレーナーを担当する関根陽平氏は、鍼灸師の資格を持つ歯科医師であり、月刊「医道の日本」2018年11月号にも登場。鍼灸と歯科のコラボレーションによって広がるサポートの可能性について紹介している。
今回のスポンサー契約の経緯としては、もともと安藤選手がじゅんいちダビッドソン氏のファンであり、同氏のトークライブに参加した際に交友関係がスタート。その後、安藤選手のマネジメント会社からスポンサー契約の提案があったのだという。
じゅんいちダビッドソン氏は今回契約を結ぶ決断をした理由として、「(安藤選手のマネージャーから)営業があったこともそうですが、僕ら芸人は日本のなかだけですが、アスリートは世界中の人に感動を与えることができるので、安藤選手が国際的な大会などで活躍すれば、ちょっとは社会貢献に加担できたことになるかと」と話した。
芸能人がアスリートのメインスポンサーとなるのは世界初とのこと。契約期間は2024年パリ五輪までの4年間となる。
安藤選手はアスリートとしての活動の傍ら、関根氏が院長を務める「みはる矯正・歯科医院」で歯科助手として勤務する、いわゆる「デュアルキャリアアスリート」である。
今回のケースは、アスリートが企業に勤めながらスポンサーを獲得することで、コロナ禍などによる金銭的な事情で競技の継続を断念せざるを得ないといった直近の問題から、アスリートのセカンドキャリアという将来的な課題などを解決するための、一つのモデルとなる。
記者会見後、関根氏に今回の経緯について聞くと、「安藤選手のマネージャーとは以前から知り合いで、今回のお話しをいただきました。この企業とアスリートとスポンサーという関係が今後の新しい形として浸透していくと、もっと面白くなると思う」と意気込みを語った。