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続・クルージング鍼灸師便り(1)香港、ベトナム、台湾

公開日:2010年6月7日|最終更新日:2022年3月1日

前回、石原雅彦氏に地中海クルーズとカリブ海クルーズでの活動の様子を伝えていただいたが、今回はその第2弾として、森田智氏からアジアクルーズ、アラスカクルーズの様子をレポートしていただくことになった。森田氏は石原氏と同じSPA運営会社であるSteiner Ltdの日本支部であるスタイナージャパンを通じて乗船しており、これまでも世界中の海をまわっている。

はじめまして、私の名前は森田智と申します。縁があって医道の日本社に連載記事を書く事になりました。


私は、2007年に呉竹学園東京医療専門学校の専科を卒業しました。在学中から2008年9月までは病院、治療院で勉強し、2008年10月からは豪華客船のスパで鍼灸師として働いています。


初めはカーニバルトライアンフ号で6カ月間のカリブ海クルーズでした。2度目は4カ月間、クラウンプリンセス号で北ヨーロッパクルーズ、大西洋横断クルーズ、アメリカ・カナダ東海岸クルーズなど様々なクルーズを経験しました。そして現在3度目の乗船で、ダイアモンドプリンセス号でアジアクルーズの真っ最中です。


タイから参加し、シンガポール、ベトナム、中国、台湾、日本、韓国、ロシアを回ります。その後は太平洋を横断して、カナダのバンクーバーから出発するアラスカクルーズの予定です。

この仕事をしていて思う事は、やはり英語力が大切だと思います。私は3年間の留学経験があり、英検準1級の資格も持っています。が、初めて乗った船では大変苦労しました。

ミーティングが毎日のようにあり、聴衆を集めての鍼灸セミナー等も週に3回義務付けられているため、スピーキング、リスニングがある程度必要となります。乗船されているお客様もほとんどがアメリカ人なので、鍼灸を受けにいらしていただいたとしても、英語ができなければ正確に症状を把握する事はできません。しかしそれ以上に大切な事は常に目標を持ち続ける事です。信念をしっかり持っていないと、想像を超える困難に立ち向かっていけないと思うからです。

最初から堅苦しい話となってしまいましたが、私本人はかなり大雑把な人間なため、ここからは肩の力を抜いて書かせていただきます(笑)。

写真は乗船中のダイアモンドプリンセス号です。全長290m、全幅37.5m、総重量116000トン。乗客だけで2670人 、クルーは1238人乗れます。日本で造られたそうですよ。

現在、豪華客船は世界に100隻以上あり、鍼灸師はその内の78隻に乗船しています。2005年からこのプログラムは始まり、総計250000回もの治療を行ってきました。私の働いている会社は、豪華客船を含む世界中にあるスパを経営しています。

そして今、豪華客船で働いている日本人の鍼灸師は石原雅彦先生、今井智子先生、衛藤こずえ先生、安部深穂先生、石川感奈先生、大場拓也先生、宗本隆吉先生、山崎昇先生、他1人の9名になります。


基本的に鍼灸師は一隻に一人なので同じ船で出会う事はありませんが、メールで皆さんと連絡を取れるようにしているので、互いに有益な情報があったり、素晴らしい経験をしたり、また上手くいかない事があったりすると頻繁に意見交換しています。それが良い刺激、そして励みにもなっています。たまに下船する港が被る時があるので、その時はうまく時間を調整して会ったりもしています。カリブ海にあるコズメルと言う島で日本人鍼灸師が3人同時に会えた事もありました。そんな時は感動も一入です(笑)。

今までの契約で私の乗っている船に日本人のクルーはいつも私1人です。日本人のお客様は、たまに見かけたりもします。ついつい日本語で話しかけたくなってしまいますね。と言うより話しかけちゃってます。初めの頃は淋しい思いもしましたが、住めば都と言うか、今ではそれが当たり前になっているので、逆にその環境を楽しんでいますよ。怖い思いをすることもありますが・・・・・・。

ベトナムのPhu Myという場所です。旅行者狙いのバイクが徘徊していて、乗らないかと執拗に声をかけてきます。騙されたつもりで乗ってみたら、途中で値段を6倍に釣り上げられました。何とか説得して元の値段に戻してもらいましたが、船からだいぶ距離もあったので、ちょっと怖い思いをしました。

香港です。元イギリス領だったせいか、英語もよく通じて不便はありませんでした。狭い場所に政治・経済の全てが集中しているせいか、人はせかせかしていて忙しない感じがしました。夜はビル群の夜景がとてもきれいです。この日は中止になってしまいましたが、豪華客船の来航時にはライトショーというイベントが行われ、ビル群から様々な色のレーザーが放射されて更に豪華な印象になります。

台湾の基隆(キールン)という港町です。昼間から至る所に屋台が存在しており、食べ物のサイズも写真のように特大の物が多かったです。台湾人はビッグサイズが好きなのでしょうか(笑)?値段は お手頃価格です。

沖縄で同僚のHwangさんとご飯を食べに行きました。右側が私、森田です。沖縄の料理は独特ですが、やはり日本食はおいしいです。私はゴーヤチャンプルーを、彼は沖縄そばを注文しました。日本語で「オイシイ」と 言っていましたよ(笑)。

と、こんな感じでこれからレポートしていきたいと思っています。
みなさん、よろしくお願いします。

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