DVD「『たるみ・しわ・しみ』症状別美容鍼」の堀口三恵子氏インタビュー
「美容鍼は、1~2mm程度のごく浅い刺鍼でも十分効きます。さらに効果を上げるには、いろいろコツがあるんです」
ますます注目が高まっている美容鍼の基本から、おさえておきたいテクニックをまとめたDVDが好評の堀口三恵子先生に、刺鍼法を確立するまで、またDVDの見どころなどをおうかがいしました。
【12月19日 東京都内にてインタビュー】
インタビュー内容
――美容鍼はいつから、どういうきっかけで始められたのですか?
堀口 鍼灸学校卒業後に勤めた病院で、鼻炎や顎関節症、眼精疲労などの治療をした後、患者さんのお顔のむくみがとれてフェイスラインがすっきりしたり、目がぱっちりしたり、意外な効果が出てすごく喜ばれたんです。体の不調から、徐々に美容のご相談も受けるようになりました。開業して本格的に美容鍼を始めたのですが、今振り返ると、使っている経穴や施術方法はその当時とそれほど変わっていないんです。
――顔面でもほとんど痛みを感じない浅い刺鍼法は、どのようにしてできあがったのですか?
堀口 学校で撚鍼の教育も受けましたし、患者さんにとって痛みが少なく安全な刺し方として、卒業後も鍼管を叩かず刺鍼する方法をとることが多かったと思います。実際やってみると、顔面は深く刺さなくても十分効果が出るとわかってきたのです。撚鍼をやるかやらないかは、年代というより、その鍼灸師が受けた教育が影響する気がします。
――しわの施術で、テープ付円皮鍼(DVD中では絆創膏に円皮鍼が固定されている「パイオネックス」を使用)を使われていますね。なぜ円鍼皮なのですか?
堀口 いろいろな鍼を使ってみたのですが、しわの改善度が一番高かったのがテープ付円皮鍼、私の場合は使いやすさで「パイオネックス」になりました。しわに効くのは、テープの張力と鍼の刺激の相乗効果ではないかと思っています。
――「置鍼時間は2~3時間を限度に」とありましたが、先生ご自身は夜つけて、翌朝まで置鍼してらっしゃることもあるとか?
堀口 普通の円皮鍼と同じように一晩ぐらいしていても問題ないのですが、お顔の皮膚はデリケートなので、就寝中うつぶせになる方はやめたほうがいいですし、刺し方や抜鍼の仕方が正確にできないと肌には逆効果です。だから患者さんがご自宅で刺すよりは、やはり鍼灸師が患者さんに刺鍼してさし上げるべきだと思います。実際の施術では患者さんのご都合にあわせて1時間弱ぐらい置鍼しますが、慣れてきた患者さんはそのままつけて帰られるんですよ。見た目は絆創膏なので、お車はもちろん電車でも気になさらない方が結構多いです。ただ、患者さんには抜鍼の仕方やその後のお手入れを詳しく指導しています。
――DVDで「しわ」「しみ」の施術で登場した2人目の患者さんは、過労と睡眠不足で非常に顔色が悪かったのですが、先生の施術後に全身の皮膚のくすみがとれて、顔色自体が明るくなりましたね。
堀口 今回のDVDでは、美容鍼のごく基本をかいつまんでまとめたので、全身調整は私が普段使うことが多い基本的な経穴をまとめるにとどめましたが、鍼灸師が美容で力を発揮できるのは、患者さんの体全体を診られるからです。体を治療することで、お顔のたるみやしわ、しみに対する刺鍼の効果をさらに高め、持続させることができます。私は普段、患者さんの愁訴には長野式治療、積聚治療などを組み合わせて鍼治療をしたり、操体法もあわせて使ったりしています。自宅でできるいろいろなエクササイズも指導しています。
――美容鍼を始めた鍼灸師の方へ、アドバイスをお願いします。
堀口 美容鍼を受けられる患者さんは知識が豊富で、最新の美容技術と鍼を併用されている方も多いです。正しい皮膚科学をベースに、その患者さんの何が鍼でよくなるか、また悪化するか、つまり鍼の適応外の患者さんを見分ける力が必要です。それに、美をつきつめると、結局は体そのものです。皮膚科学、栄養学、医学の新しい情報を常に仕入れ、鍼治療の腕ももちろん磨く必要があります。美容鍼を始められたばかりの方、これから始めようという方、それに実際やっているけれどいまひとつ効果が出ないという方に、私のDVDを参考にしていただければと思います。
堀口三恵子(ほりぐち・みえこ)
東京医療専門学校卒業。鍼灸師、「コウ鍼灸治療院」院長、東京医療専門学校教員養成科講師、呉竹会理事。全国の鍼灸師会や研究会などでも美容鍼灸の講義を行っている。
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