【鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師のための、治療院開業マニュアル】第4回:開業を考え始めたら 知っておきたい開業までの6ステップ

卒業し、国家試験に合格した後、治療院勤務のため就活をはじめる方はもちろん、特に30〜40代の方の中には開業を目指す方も多いのではないでしょうか。
医道の日本Onlineは、<鍼灸マッサージ治療院マニュアル>としまして、ゆくゆくは開業を考えている方を対象に、開業に必要な知識を紹介します。
目次
コンセプト決めて終わりじゃない開業準備
前回までコンセプト作りを2回にわたりご紹介しました。もちろん、コンセプトができて開業準備は終わりではありません。
前回の記事はこちら
【鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師のための、治療院開業マニュアル】第2回:知っているようで知らない?開業するまでに最低限決めておきたいこと
【鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師のための、治療院開業マニュアル】第3回:治療院コンセプトはどう決めた?先輩の声を紹介
開業資金はもちろん、場所決めや書類の提出など、開業には多くの準備が必要です。では、具体的にはどのような準備が必要なのでしょうか。
今回は、開業に必要な手順を6ステップに分けてご紹介します。
知っておきたい開業までの6ステップとは?
ステップ①:コンセプト決め
前回までのメルマガで紹介しました。治療院の方向性、治療家としての主軸となるコンセプトをしっかりと考えます。
ステップ②:開業スタイル決め
自宅開業、往診、店舗を借りるなどさまざまな選択肢があります。ステップ①で決めたコンセプトをもとに、どのような開業スタイルが最適か考えましょう。
例えば、商業用物件での開業の場合、「居抜き物件」と「スケルトン物件」があります。詳細は省きますが、居抜き物件だと以前に店舗を運営していたところの設備や内装が残っており、低コストで借りることができ、内装工事も必要最低限ですむので開業費用を抑えることができます。
ステップ③:開業エリア、物件と資金
開業エリアとそのエリア内での物件を探します。開業エリアはターゲットにしたい層を念頭に入れて考えましょう。例えば、会社員をターゲットにする場合、オフィス街での開業が患者様が集まりやすいです。
そして、治療院の場所を知ってもらう必要があるため、表通りに面した場所や駅から近い場所の方が有利です。同一エリア内でも物件によって集患力が異なるため注意しましょう。
また、同時に資金のことも考えなくてはいけません。開業に必要なお金は、初期費用と運転資金(数ヶ月分)の合計です。一般的には必要資金の3分の1は自己資金として準備することが多いです。不足分は融資で賄うと良いでしょう。
ステップ④:内装と備品
物件のめどがついたら、内装工事の準備です。
まずは、院内のレイアウトを考えます。ステップ①で決めたコンセプトに応じた備品数を用意しましょう。例えばベッドは、じっくり治療するコンセプトなのであれば1台で問題ありません。あまり使わない設備・備品を入れてしまうと狭苦しい印象を与えかねません。
次に、どんな雰囲気にするのか、イメージを固めましょう。ステップ①のコンセプトや主となるターゲット層などを踏まえて考えると良いでしょう。
ただし、内装工事には一定の法令基準を満たす必要もありますので注意が必要です。
ステップ⑤:各種届出
開業に関する書類を届け出る先は2カ所あります。
1つは保健所センターまたは保健センター、もう1つは税務署です。保健所への届出については、指定の「開設届出書」に必要書類を添付し、治療院開設から10日以内に提出します。開設届出書は保健所や保健センターに置かれています。税務署へは「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。不明点があれば開業場所の税務署へ問い合わせましょう。
ステップ⑥:開業
おめでとうございます。開業完了です。
いかがでしょうか。一つ一つ詳しくは説明しませんが、上記のように開業までにはコンセプト立案から大きく6つのステップがあります。開業することを決めたら、何をしなければならないのか、頭の片隅に入れておくと良いでしょう。開業までのより具体的なプランを練ることができます。

本記事は、弊社出版のはじめての鍼灸マッサージ治療院開業ベーシックマニュアルからの抜粋となります。記事を読んでご興味をもたれた方は、ぜひこちらから書籍をお求めください。