鍼灸・整骨院でSNS集客するには?各SNSの特徴と運用方法を紹介

近年、SNS集客に力を入れる治療院が増えてきました。
しかし、「そもそもどんな効果があるのかわからない」「実践してみたものの、特に変化を感じない」「効果的な運用方法がわからない」といった声も多く聞こえてきます。
そこで本記事では、昭和初期から治療院に関わってきた医道の日本社が、鍼灸・整骨院におけるSNSでの集客方法について具体的に解説します。SNS集客を検討している方や、どのSNSを使うべきか迷っている方、効果的な運用方法が知りたい方はぜひ参考にしてください。
治療院集客についてはこちらの記事もぜひ、あわせてお読みください。
>>【2024年版】治療院の集客はどうすべき?手法や考え方まで解説
目次
そもそもなぜ鍼灸・整骨院の集客にSNSが効果的?
鍼灸・接骨院の集客で、なぜSNSが効果的といわれるのでしょうか。その理由は、主に2つあります。
SNS利用人口の増加によるSNSで検索するユーザーの増加
SNSは、スマートフォンが普及した現代において、老若男女問わず欠かせないコミュニケーションツールです。かつては20代以下の若い世代を中心に利用されていましたが、現在では30代から60代以降のシニア層にも広がり、利用者数は増加の一途をたどっています。
特に若年層や女性の間では、治療や施術を受ける際にInstagramをはじめとしたSNSで情報を収集する傾向が見られます。実際に訪れた人々の投稿や、治療院が発信する写真・動画を参考に、サービスや雰囲気を確認しているようです。
鍼灸や整骨院を利用する顧客層も例外ではなく、SNSを情報収集の手段として活用しています。そのため、治療院が積極的に情報を発信することで、広く認知されるだけでなく、信頼感の醸成にもつながります。
無料ですぐに始められる
従来の集客方法としてよく使われていたチラシやWebページは、制作に費用と時間を要するというデメリットがありました。
対して、SNSなら利用料は無料ですぐに始めることが可能です。個人経営の多い鍼灸・整骨院では、広告宣伝にあまりコストをかけられないという方も多いでしょう。SNSならコストをかけずすぐに開始できることから、広告・集客の手段として厚い支持を得ています。
鍼灸・整骨院の集客に役立つ4大SNSの特徴
国内で利用されているSNSツールのなかでも、利用者数が多いのは「X(旧Twitter)」「Facebook」「Instagram」「LINE」の4つです。それぞれに特徴やメインとなるターゲット層が異なるため、最適なツールを選ぶことが大切です。
X(旧Twitter)
特徴
1投稿につき全角で140字以内、半角で280文字以内の文字投稿や、写真・動画投稿が可能なSNSです。長文を書く必要がなく、写真の添付も必須ではないため、初心者でも手軽に始めやすいSNSです。
特徴的なのは、「リポスト」による拡散力です。「リポスト」は、他の人のポストを「Re=再び、Post=ポストする」という仕組みで、人の投稿を自分のタイムライン(ホーム画面のポスト表示欄)に転載できます。
自分のタイムラインに流れてきたポストを「リポスト」すると、フォロワーのタイムラインにもそのポストが流れます。フォロワーの枠を超えて、まったく知らない人にまで情報を届けられるため、たった1つの投稿でも、リポストされれば抜群の宣伝効果があります。
さらに、「X(旧Twitter)」で自院や施術内容に関する情報を発信し、利用者に知識を深めてもらうことも可能です。こうした取り組みは、顧客に愛着を持ってもらう効果が期待できます。リポストや返信機能を通じてファンと交流を深めることで、より強いつながりを築くことも可能です。
また、つながりの強いファンは、リピーターとして自院を繰り返し利用するだけでなく、自ら積極的に情報を拡散してくれる可能性もあります。このように「X(旧Twitter)」は、拡散力を活かして新しい顧客層にリーチするだけでなく、既存顧客との関係性を強化するためにも有効なツールといえます。
メインユーザーの年齢層
20代を中心に、10代〜40代の間で広く利用されている傾向です。
運用時のポイント
X(旧Twitter)では、ユーモアのある投稿が注目されやすい傾向にあります。専門性の高い情報を親しみやすく伝えるとよいでしょう。見た人に「リポストしたい」と思ってもらえるかどうかがキーポイントです。
また、X(旧Twitter)では、ほかのユーザーから反応を得ることで拡散力が高まります。リポストやリプライを通じて投稿が広がるため、フォロワーとの積極的なコミュニケーションも重要です。ただし、知らない人の投稿はリポストされにくい傾向があるため、日頃から信頼関係の構築を意識しましょう。
加えて、多くの人に自院の情報を届けるには、適切なやり取りを心がける必要があります。ユーザーとのコミュニケーションを円滑にしつつ、無用なトラブルや炎上を避けるために、発言内容には細心の注意を払いましょう。丁寧で親しみやすい対応が、投稿の拡散やファンの獲得につながるポイントといえます。
特徴
実名登録での利用が基本となるサービスです。顔見知りや知人同士の交流が活発なため、信頼性のある口コミだけを共有する傾向にあります。
施術で顧客の身体に触れる鍼灸・整骨院にとって、口コミの信頼性やイメージの向上は重要課題の1つです。Facebookでよい評価を得ることが自院のイメージアップにつながり、優良な口コミが増えれば増えるほど、宣伝効果が高まります。
メインユーザーの年齢層
Facebookは、20代〜50代によく利用されている傾向です。なかでも、多くの鍼灸・整骨院のメインターゲットである、中高年男性の利用率が高いといわれています。
運用時のポイント
Facebookでは、ビジネス利用のアカウントが多く、ユニークさよりも信頼性の高さが重視される傾向にあります。有用な情報を的確に伝えることを意識しましょう。
また、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に図ることも重要です。コメントを促すような文言を投稿に取り入れることで、フォロワーとの信頼関係を築きやすくなります。ただし、投稿内容が宣伝ばかりに偏らないよう注意が必要です。自院の想いや治療院の裏側がわかるストーリー性のある投稿を混ぜることで、共感してくれるユーザーが増え、結果的にファンの獲得につながります。
そのほか、プロフィール情報を常に最新の状態に保つことも基本です。正確な情報を提供することで、信頼感を高められます。さらに、Instagramとの連携機能を設定することで、同じ投稿を両方のプラットフォームに同時に配信でき、より多くの人に情報を届けられます。Instagram広告を出稿する際には、FacebookとInstagramのどちらに配信するかを選択できるため、集客効果を最大限に引き出す工夫も可能です。
特徴
写真(画像)・動画の共有に特化したサービスです。ハッシュタグ(#◯◯◯◯)と呼ばれるキーワードを使って情報の検索や共有ができることから、投稿して発信するといった使い方だけでなく、情報を仕入れるためのツールとしても使われています。
最近では、ホームや発見タブに、フォローしていないアカウントの投稿が多く表示されるようになってきました。そのため、フォロワー以外のユーザーにも投稿が届く機会が増えています。
メインユーザーの年齢層
10代~40代で、特に女性のユーザーが多いのが特徴です。女性の集客に力を入れている治療院はおさえておきたいところです。また、最近では50代のユーザーも増加傾向にあり、幅広い年齢層にアプローチできる可能性が高まっています。
運用時のポイント
動画やイラスト画像の配信に長けていますので、鍼灸・整骨院ならではの実用的なハウツー情報の発信と相性がよいのがポイントです。知識やノウハウを効果的に広めることで、治療院の認知度や信頼度のアップの効果が期待できます。
投稿においては、量よりも質が重視される傾向があります。見やすく魅力的な投稿を心がけることで、ユーザーの関心を引きやすくなるでしょう。また、ハッシュタグを活用することも重要です。Instagramでは最大30個までタグをつけることが可能なので、関連する複数のハッシュタグを選び、投稿の露出を増やすことがおすすめです。
ただし、いきなり投稿数が多いビッグワードのハッシュタグを使うのは避けた方がよいでしょう。競合が多いため、上位表示が難しくなります。可能であれば投稿後にハッシュタグを検索し、自分の投稿が上位に表示されているかを確認しつつ、適切なボリュームのハッシュタグを選ぶのがおすすめです。
なお、Instagramでは投稿内にリンクを直接貼れない点に注意しましょう。リンクを案内する際は、プロフィール欄に設定したリンクを活用し、投稿内でそのリンクを参照する形でユーザーを誘導すると効果的です。
LINE
特徴
国内登録者数No.1のメッセンジャーアプリで、年齢を問わず情報を届けたいときに最適です。「LINE公式アカウント」を取得し友だち登録をしてもらうことで、サービスチケット類の配布や情報の配信ができるようになります。1対1のチャット機能では、お客様と個別のやりとりが可能であり、LINE上で直接、来店予約の調整や問い合わせ対応ができます。既存顧客や休眠顧客のリピート来院を促すのに非常に有効です。
メインユーザーの年齢層
メッセンジャーツールとして10代〜70代まで幅広く浸透しています。
運用時のポイント
投稿ややり取りはチャット形式なので、簡潔にわかりやすく伝えるようにしましょう。長い文章を送る必要があるときは、数回に分けて送信すると読みやすくなります。
また、LINE公式アカウントを取得することで、個人アカウントにはないさまざまな機能を活用できます。公式アカウントでは、友だち追加をしているユーザーに対してメッセージを一斉配信することが可能です。この機能を活用して、リピーターや休眠顧客へアプローチできます。さらに、クーポンやポイントカードの配布にも適しており、顧客の来院を促す手段として役立ちます。
なお、LINE公式アカウントは無料で利用できますが、無料プランではメッセージ配信が200通までという制限がありますので留意してください。
鍼灸・整骨院におけるSNSの具体的な運用方法
ここからは、鍼灸・整骨院の集客でSNSを活用する際の具体的な運用方法をご紹介していきます。
SNS運用の基本的な考え方
まず覚えておいていただきたいのが、SNSを使った集客は、効果を実感するまでにある程度の時間を要するということです。SNSの投稿を見てもらうためにはフォロワーの獲得が必須であり、この過程に時間がかかります。
フォロワーを獲得し投稿を目にしてくれる母数を増やすことで、ターゲットの目にとまりやすくする。そのうえで、投稿内容で興味を持ってもらい、来院につなげる…という工程が必要です。
すぐには効果が実感できずとも、長い目で見てコツコツと運用していくことが大切です。
SNS集客の運用方法
自院のことを知ってもらい、フォロワーを増やす
集客アップのためのSNSアカウントを作るために、最初に取り組むべきは「プロフィールの見直し」です。
ユーザーは、まず「プロフィールを見て」フォローを判断することが多いとされています。プロフィールは自院の顔や名刺代わりにもなります。一目で何を発信しているアカウントなのか理解できるよう、わかりやすいアイコンやプロフィールを設定しましょう。
プロフィールを設定したら、商圏内のフォロワーを増やして認知度を高めましょう。治療院は地域密着ビジネスです。来院見込みのあるエリアのフォロワーを獲得しなければ、集客にはつながりません。地元に絡めた投稿やタグ付けをおこなうなどして、まずは近隣住民に興味を持ってもらい「いいね」や「コメント」をもらいましょう。
フォロワーのファン化を目指しつつ、来院のきっかけをつくる
一定の認知度が得られたら、こまめな投稿によって来院のきっかけをつくります。
時折、イベントやキャンペーンもおこなっていきましょう。一度きりの大きなキャンペーンより、小さくても頻度が高いもののほうが効果的といわれています。最低でも月に1~2回を目安にキャンペーンを実施して「こまめに通知する」ことを心がけましょう。
また、投稿が宣伝ばかりにならないよう注意が必要です。フォロワーが共感し、役に立つと感じる情報を発信することで、自然とファン化が進みます。治療や健康に関する豆知識や、自院のこだわりなどを共有して、フォロワーとの信頼関係を築いていきましょう。
実際に来院してもらう
SNS経由による情報の優劣は、多くの人が利用者の生の声を判断材料にします。既存顧客による信頼度の高い体験談や口コミが、実際の来院への最後の一押しとなります。お客様から寄せられた声や体験談を投稿したり、口コミ発信を依頼したりして、積極的に生の声を発信しましょう。
SNS集客を成功させるために最低限必要なこと
SNS集客に成功している治療院は、さまざまな対策を施しています。よく見られる対策のなかでも、最低限おさえておきたい2点をご紹介します。
役立つ情報を提供する
まず注目したいのが、投稿内容です。
「SNS集客の効果が感じられない」という治療院でありがちなのが、日々の出来事やキャンペーン告知を繰り返す投稿です。が、SNSでフォローしてもらいやすいのは、「見ている人が今求めているものを提供する」アカウント。つまり、治療院に求められるのは、目の前の悩みを解決する情報やノウハウの提供です。
たとえば、痛みや症状で悩んでいる人が望むのは「今自分でできる対処法」です。顧客のためになる情報を発信し信頼を得ることが、来院や新規顧客の獲得につながります。
週に2回は更新する
次に確認すべきは、更新頻度です。効果が実感できないからといって、SNSの更新をおろそかにするのはNGです。更新が止まっているSNSは、見る人に雑な印象や不安感を抱かせてしまいます。
また、人には「単純接触効果」と呼ばれる心理学的効果があります。これは、接触回数が増えるほど、対象への好意を抱きやすくなるというものです。顧客に対して安心感を与え、よい印象を抱いてもらうためにも、週に2回は更新したいところです。定期的な更新のために、SNS担当のスタッフを決めておくとよいでしょう。
SNSでの集客に予約システムもあればさらに効果的
せっかくSNSで興味を持ってもらえても、予約の手続きが面倒だと来院につながらないおそれもあります。SNSの運用に慣れてきたら、予約システムの導入も視野に入れることをおすすめします。最近ではWebページから予約できるシステムが普及しているので、来院までスムーズに誘導できます。
予約システムについてはこちらの記事もぜひ、あわせてお読みください。
>>予約システムは患者様にもメリットあり!鍼灸・整骨院の予約システム導入のポイント
まとめ
スマートフォンが普及した今、無料で自院の認知度を高めるには、SNS活用が非常に有効な手段です。自院のターゲット層に適したサービスを選び、こまめに配信することが成功のカギです。効果を実感するまでに少し時間を要するかもしれませんが、ひとりでも多くの患者さんの悩みを自院の治療で解決したいという気持ちが届けられるよう、ぜひ根気強く続けてみてください。