【書籍紹介記事】陰陽のバランス調整で抜群の効果！シンプルな手順と刺さない鍼の治療法「陰陽太極鍼テキスト」

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。

多くの治療法からどれを選ぶ？

経絡治療や中医鍼灸、西洋医学的なアプローチなど多くの治療法が存在する鍼灸治療。

鍼灸学生や臨床に出たばかりの人は、どの治療法を学んでいけばいいのか迷うこともあるのではないでしょうか。

そんなときにおすすめしたいのがこちら、「陰陽太極鍼テキスト」です。

陰陽のバランス調整を重視し、シンプルな手順と刺さない治療で驚くほどの効果をあげる陰陽太極鍼。

あらゆる疾患に対応できるその理論から診察、治療まで、すべてを解説した本書についてご紹介していきます。

「陰陽太極鍼テキスト」の概要

施術者・患者の双方にメリット大の優しい治療法
熟練の技術が必要とされるとともに、患者へも多少の恐怖心や痛みなどを与えていた従来の刺鍼治療。そうしたデメリットをなくし、患者に即効性を感じてもらえる治療法として40年以上の臨床経験をもつ著者が開発したのが「陰陽太極鍼」である。
陰陽太極鍼の治療法は、東洋医学の原点ともいえる身体の陰陽バランスを重視しながら、皮内鍼や王不留行の種子を「貼る」だけ。施術する側にとっては「習得しやすい」、施術を受ける側にとっては「安心して治療を受けられる」と双方にメリットがある。
本書では症例も豊富に紹介しており、陰陽太極鍼の理論から技術までを明確に学べる1冊となっている。

 収納コンテンツ

第1章 はじめに―鍼灸臨床を振り返って
第2章 陰陽太極鍼の特長
第3章 理論編
第4章 技術編
第5章 眼科疾患の治療法
第6章 最近の症例
付録 八綱弁証における陰陽の調整

陰陽のバランスの重要性に気づき開発された陰陽太極鍼

身体の陰陽のバランスを整えることに着目した陰陽太極鍼。

世界鍼灸学会などで論文を多数発表し、国内外で高く評価される著者、吉川正子氏が開発した治療法です。

きっかけとなったのは、五十肩の特効穴「王穴」の劇的な効果に驚いたことだそう。

下肢内側の陰陵泉の後下方の圧痛点に取り、左の五十肩には右に、右の五十肩には左にと、交差させて使う「王穴」。

なぜこれほどの効果が出たのか、中国医学の原点に返って陰陽論、五行論、経絡、経穴学などを検討した著者は、「これはつまり陰陽だ」と気づいたといいます。

上は陽で下は陰、右は陰で左は陽、そして表裏でお互いに関連し合っている陰経と陽経。

全身の陰陽のバランスを整えるという大原則に基づき、さらに、中国鍼灸と日本伝統鍼灸という2つの鍼灸の優れた点を融合させてできたのが、この陰陽太極鍼です。

そんな陰陽太極鍼には、多くのユニークな特長があります。

まず、初学者でも習得できるということ。

陰陽太極鍼は、決められた手順を守ることで、比較的短時間の訓練で一定の効果を出せるようになります。

多くの研修生を受け入れてきた著者の治療院では、早い人であれば鍼灸免許の取得から半年後には一人で臨床を行い、十分な結果を出しているといいます。

次に、患者の感覚を重視していること。

従来の施術法と大きく異なり、術者の感覚だけではなく、患者の声を参考に、患者と一緒に治療を進めていくのです。

診察時に感じた圧痛が消えていくなど、「自分の身体の中でいいことが起こっている」と患者自身が体感することは、鍼灸治療においてとても重要だと著者はいいます。

さらに、即効性があること。

初めて治療を体験した患者の多くが、まるで手品やマジックを見たかのように「不思議だ」と、その効果に驚くそうです。

そして、刺さない施術であるということ。　

補のときは「王不留行（おうふるぎょう）」という植物の種子、瀉のときは「皮内鍼」を貼るだけで侵襲がありません。

鍼治療が怖いと敬遠する人や子どもにも施術することができます。

肩や腰などの運動器トラブルだけでなく、多系統萎縮症、パーキンソン病、うつ病などあらゆる疾患に対応可能。

効果がただちに現れ、その場で患者とともに確認できる、臨床医学として大変優れた治療法なのです。

45年の臨床の集大成！その理論から診察、治療まですべてを惜しみなく公開

経絡を軽くなでて、患者さんの感覚を尋ねながら、治療穴を探していくシンプルな診察と、「貼る」だけの治療で、抜群の効果を実感できる陰陽太極鍼。

本書では、その理論から実際の治療手順まで、すべてが惜しみなく公開されています。

舌診、募穴診、首周六合診、腓腹筋診、背部兪穴診といった診察の詳細。

選経、選穴、問題経脈の絞り込み方。

「開穴」と呼ばれる治療点の探し方に、基本的な治療の手順。

著者の経験や症例を交えながら、一つひとつイラストや写真とともに丁寧に解説していきます。

『黄帝内経』『難経』『傷寒論』など、鍼灸治療の上で重要になる古典理論。

しかし「それらの知識が十分でなくても一定の判断はできますので、手順にしたがって始めてみてください」という著者。

実際に治癒していく患者を目の当たりにすることで、古典理論の正しさを事実として認識できるようになるといいます。

診察法の中からまず一つなど、部分的に今行っている治療に取り入れることができるのも陰陽太極鍼の魅力です。

本書では、そのほか基本治療に追加して、効果を補強できる温灸や耳鍼のテクニックも紹介。

著者が最初に専門領域とした眼科治療のノウハウも公開されていて必見です。

「多くの人にこの鍼灸という素晴らしい治療法を実践してほしい」という著者の思いが込められた45年の臨床の集大成ともいえる本書。

より効果のある治療法を身に付けたい、治療の幅を広げたい人必読です。

「陰陽太極鍼テキスト」まとめ

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