【書籍紹介記事】胸を熱くするストーリーで楽しく経絡治療が学べる人気作！「漫画ハリ入門」

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。

心に不安や迷いが生まれたときには

「鍼灸師になってやっていけるだろうか」「古典とか経絡治療とか難しくてよくわからない」

鍼灸師を目指して勉強する日々の中では、夢や希望と同時にこんな不安を感じることもあるのではないでしょうか。

そんなときにおすすめなのがこちら、「漫画ハリ入門―楽しくわかる経絡治療―」です。

楽しく経絡治療が学べて、さらに鍼灸治療とは何か、治療家とはどう生きるべきかを教えてくれる本書についてご紹介していきます。

「漫画ハリ入門」の概要

昭和40年、鍼灸師・津田良伯のもとに、麻雀に明け暮れて不遇な日々を送っていた青年・小田切正之が転がり込んできた。「鍼灸を教えて下さい!」という小田切に、津田はしぶしぶ弟子入りを認めることにする。新人鍼灸師・小田切の奮闘を通して経絡治療が一から身につく、池田政一氏原作の本格ストーリーマンガ。これから鍼灸師を目指す人はもちろん、経絡治療を修得したいベテラン鍼灸師まで楽しく学ぶことができる!

 収納コンテンツ

プロローグ　漢方復興運動の終焉とそれから
第1話　修業のはじまり
第2話　陰陽五行説について
第3話　虚実について
第4話　腎虚証について　
第5話　病因について
第6話　病理と病症
第7話　四診法
第8話　本治法と標治法
第9話　津田良伯の遺言
第10話　証の解説

思わず引き込まれてしまう圧巻のストーリー！師匠の教えに胸が熱くなる

多くの治療家や患者さんに読み継がれ、2007年の刊行から重版を重ねベストセラーになっている本書。

物語は鍼灸界のある巨匠が亡くなるところから始まります。

「しかし、そう簡単には滅びんよ　良い物は必ず残る　ワシが死んだ後50年後に漢方や鍼灸を復興させる者が生まれる」

そして月日が流れ、ある日青年が師となる鍼灸師に出会います。

冒頭からぐっと物語の世界に引き込まれてしまう本書。

原作は、これまでに多くの書籍を執筆している池田政一先生です。

若いときに小説家を志していたという先生による圧巻のストーリー。

そこに豊富な臨床経験をもとにした心に響くセリフの数々が散りばめられています。

また、古典鍼灸術復興の歴史を背景としている本書には、柳谷素霊、岡部素道、井上恵理など実在していた先生方が登場するのも見どころの一つ。

鍼灸師なら誰もがその名を知る先人たちの、人柄や鍼の技などがわかるエピソードが描かれています。

鍼灸の世界に飛び込んだ青年と、貧しい地域で鍼灸院を開き、損得抜きで治療を続ける師匠。

「脈を診ていると患者の状態が自分の心に写る」

「自分が治療してもらいたいように患者に治療するということや」

「人助けなどと思うのは思い上がりや　思い上がりは治療家の進歩を止めてしまうで」

心に刻みたい師匠の言葉の数々が物語の中に織り込まれています。

この道でいいのだろうかと不安や迷いが生まれたとき、前に進むための力をくれる一冊です。

漫画だからこそできる表現で経絡治療がわかる！

ストーリーを楽しみながら経絡治療が学べることが特徴の本書。

物語の随所で師匠が、主人公の成長に合わせて、病証や原因、脈状など、一つひとつ教える形で進んでいきます。

次第に専門的になっていく内容も、漫画ならではの二人の掛け合いが、読者の理解をサポートしてくれます。

作中さまざまな背景を抱えて治療院を訪れる患者さんたち。

ちょっとした診察や治療のコツなども交えながら描かれる臨床風景はとてもリアルです。

それもそのはず、登場するのは、そのやりとりも含めて、すべて原作者の池田先生が出会った実際の患者さんなのだそう。

漫画という表現方法を効果的に使い、ところどころくすっと笑える要素も取り入れながら進む本書。

経絡治療を学びたい人におすすめの、おもしろくてためになる一冊です。

「漫画ハリ入門」まとめ

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