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【書籍紹介記事】日本鍼灸の偉大な先人・本間祥白が渾身の力で書き上げた解説書!「難経の研究」

公開日:2024年12月2日

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。

日本鍼灸に大きな影響を与えた古典・難経

鍼灸師として、臨床に向き合う中で、当たり前のようにしている診察や配穴。

「なんでこうするんだろう」と、ふと疑問を持つことはないでしょうか。

そんなときにおすすめしたいのがこちら「難経の研究」です。

鍼の考え方や使い方などの典拠とされ、日本鍼灸に大きな影響を与えた古典・難経。

その難経について、昭和の鍼灸界を盛り上げた立役者の一人である本間祥白が徹底解説した本書を紹介していきます。

こんな人におすすめ

✔️ 鍼灸治療の原典を改めて学びたい人
✔️ 日本鍼灸を確立した鍼灸師たちの思いに触れたい人
✔️ 臨床へのモチベーションを高めたい人

難経の研究の概要

「難経」は、黄帝内経の重要ポイントを81章にまとめあげた珠玉の聖典であるが、これを現代人に理解しやすいよう解説した。1難から81難に至るまで生理、病理、治療と順を迫って説いており、また六部定位の脈診による治療法など、臨床を中心としたところに特徴がある。

 収納コンテンツ

序(井上恵理)
一難 脈診部位
二難 尺寸陰陽の脈
三難 太過不及の脈
四難 浮沈の脈
五難 脈の軽重
六難 陰陽虚盛の脈
七難 季節の脈
八難 死脈
九難 臓腑病の脈
十難 十変の脈
十一難 五十動して一止の脈
十二難 補瀉の誤治
十三難 望診と脈診
十四難 呼吸と脈
十五難 季節の健康脈と病脈
十六難 病症と腹症
十七難 脈と病症
十八難 六部定位脈診法
十九難 男女の脈
二十難 伏匿の脈
二十一難 脈と病症
二十二難 是動病と所生病
二十三難 経脈の長さ
二十四難 経脈の病症
二十五難 心包と三焦
二十六難 絡脈
二十七難 奇経の働き
二十八難 奇経の流注
二十九難 奇経の病症
三十難 栄衛の気
三十一難 三焦の生理
三十二難 心肺の生理
三十三難 肝・肺の生理
三十四難 五臓の生理
三十五難 腑の生理
三十六難 腎の生理
三十七難 五臓の気
三十八難 三焦の生理
三十九難 命門
四十難 五臓の生理
四十一難 肝の生理
四十二難 臓腑の解剖(大きさ) 四十三難 胃腸の生理
四十四難 七衝門
四十五難 八会穴
四十六難 不眠の病理
四十七難 頭面の生理
四十八難 虚実の種類
四十九難 病因
五十難 病症の種類
五十一難 臓病と腑病
五十二難 臓病と腑病
五十三難 病の伝わり方
五十四難 臓病と腑病
五十五難 積病と聚病
五十六難 積病の種類
五十七難 泄(下痢)の種類
五十八難 熱病の種類
五十九難 狂病と癲病
六十難 心痛と頭痛
六十一難 四診法
六十二難 三焦の生理
六十三難 井穴
六十四難 五輸穴
六十五難 井穴
六十六難 原穴の種類
六十七難 募穴と兪穴
六十八難 五輸穴の主治症
六十九難 取穴法の原則
七十難 季節と刺鍼法
七十一難 刺鍼法
七十二難 迎随の法
七十三難 井穴と栄穴の取穴法
七十四難 季節と取穴法
七十五難 取穴法の原則
七十六難 補瀉の法
七十七難 治療法の原則
七十八難 呼吸による補瀉の法
七十九難 迎随による補瀉の法
八十難 刺鍼法の原則
八十一難 治療法
難経考
索引
あとがき(竹山晋一郎)
あとがき(戸部宗七郎)

鍼灸学の原典を現代人にわかるように徹底的に解説

鍼灸師にとって、黄帝内経に次いで重要な存在ともいえる古典・難経。

しかし、難解であるがゆえに、途中で挫折してしまったり、よくわからなかったという人も少なくないのではないでしょうか。

そんな難経の解説に、果敢に挑んだ鍼灸師が、本書の著者である本間祥白です。

柳谷素霊、井上恵理に師事し、経絡治療の研究、実践、普及に尽力、特に古典の研究、出版に注力した人物として知られています。

そんな著者が、81章からなる難経を、現代人にも理解しやすいように解説したのが本書です。

本書では、まず難経の本文をあげ、それを一文ずつ解釈していきます。

そこに、古来の先人たちの解釈をあげて比較し、さらに著者自らの考え、臨床から得た実感などを交えて丹念に解説していきます。

脈診や病理、臓腑の生理、経穴の使い方。

今私たちが当たり前のようにしている治療法や考え方の根拠に、著者の解説を通じて触れることができるのです。

そして、そこに広がる奥深い世界。

本書は、東洋医学という大きな自然と、先人たちの積み上げてきた歴史を教えてくれます。

教科書的な小手先の技術ではない、真の治療へと踏み出す一歩になってくれる一冊。

臨床をする日々の中で、繰り返し読んでいきたい名著です。

激動の時代に日本鍼灸の発展に尽力した著者らの姿に刺激を受ける

本書について語る上で欠かせないのは、これが著者・本間祥白の遺著であるということ。

まさに命をかけて書かれた一冊だということです。

晩年は、この「難経の研究」に打ち込んでいたという著者。

本書の序文には井上恵理、あとがきには竹山晋一郎と、同じくこの時代を代表する鍼灸師が文を寄せています。

そこには、著者の突然の死、書き上げられていた原稿など、人生をかけてこの研究に打ち込んだ著者の姿が記されています。

特に、著者の熱意が伝わるのが、最後に収められている「難経考」の中の「難経七十五難の理論的解釈と臨床的研究」です。

難経の中で最も難解とされた七十五難。

あとがきでは竹山晋一郎が、掲載されている原稿に至るまでのあるエピソードを明かしています。

自ら疑問点を挙げ、考え続ける姿勢、人生をかけて研究に取り組んだその熱意。

本書から知ることができるのは、激動の時代に、日本鍼灸の確立に尽力した先人たちの姿です。

治療家としてどうあるべきか、何をなすべきかを問いかける鍼灸師必読の一冊です。

難経の研究まとめ

・昭和鍼灸の成立に貢献した鍼灸師・本間祥白による難経の解説書
・八十一難を古来の先人の解釈も挙げながら一つずつ丹念に解説
・人生をかけて取り組んだ著者の姿やこの時代の鍼灸界の空気を感じることができる

鍼灸医術や治療技術への学びが深まることはもちろん、
治療家としてのあり方も考えさせられる一冊。
ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。

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