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【マメ情報】感染者増えてます!マイコプラズマ肺炎に注意

公開日:2024年11月8日

2024年は10月の段階でマイコプラズマ肺炎の感染者が増加しており、2016年以来の高い数値が報告されています。マイコプラズマ肺炎は一年を通して感染が報告されていますが、国内の感染症発生動向調査によると、これからの季節は感染者が多くなる傾向です。風邪の症状との区別が難しく、もし、咳が長引くようなら注意が必要です。
今回は、マイコプラズマ肺炎の症状や感染経路、治療法、予防対策などを紹介します。

気軽に読める内容となっていますので、ぜひ患者様とのコミュニケーション(会話)のトピックとしてお使いください。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎とは、肺炎マイコプラズマという微生物が体内に侵入して発症する呼吸器感染症です。頑固な咳を伴うのが特徴で、特に小児や若年層の感染が多く見られます。報告される感染者の約80%は14歳以下ですが、成人の感染例も確認されています。

感染すると初期症状として発熱や全身の倦怠感、頭痛、咳が現れ、咳は治療後も3〜4週間続くことが少なくありません。マイコプラズマ肺炎は1年を通じて発症しますが、特に秋から冬にかけて感染者が増加する傾向にあります。

軽度の風邪と見分けがつきにくいため、長引く咳や発熱などの症状がある場合は、早めに医療機関で診察を受けましょう。

マイコプラズマ肺炎の主な症状と感染経路

マイコプラズマ肺炎は、風邪と区別がつきにくいうえに、風邪と同様に感染しやすいという特徴があります。軽症で済むケースが多いものの、なかには重症化する方もいます。

ここでは、マイコプラズマ肺炎の主な症状や感染経路、感染した場合の治療法について紹介します。

マイコプラズマ肺炎の主な症状

初期段階では発熱や全身の倦怠感、頭痛、咳など、風邪のような症状が現れます。症状自体は一見軽度に感じられるかもしれません。しかし、治ったあとも3〜4週間にわたり痰の絡まない乾いた咳が続くのが厄介です。

さらに、この頑固な咳は夜間に悪化しやすいため、睡眠の妨げとなることもあるでしょう。

重症化するケースは少ないものの、無菌性髄膜炎や脳炎などの中枢神経系の症状、中耳炎といった合併症を引き起こすこともあるので注意が必要です。

咳が1週間以上続く場合や体調に異常を感じた場合は、早めに医療機関で検査を受けましょう。

なお、マイコプラズマ肺炎の潜伏期間は比較的長く、2〜3週間とされています。その間、感染したという自覚がないまま他者にうつす可能性もあるため、予防策を講じることも重要です。

マイコプラズマ肺炎の感染経路

マイコプラズマ肺炎の感染経路は、主に飛沫感染と接触感染です。

感染者が咳やくしゃみをした際に放出される飛沫を吸い込むことで、感染が広がります。また、感染者が触れた物体に接触し、そのあと目や口、鼻などを触ることで接触感染が起こる場合もあります。

特に集団生活を送る環境では、感染を拡大させないために、手洗いや咳エチケットなどの基本的な予防策を徹底しましょう。

マイコプラズマ肺炎の治療法

マイコプラズマ肺炎の治療には、肺炎マイコプラズマという微生物に対して効果のある、一部の抗菌薬が使用されます。特にマクロライド系の抗菌薬が効果的ですが、近年では耐性を持つ菌も増えており、治療が長引くことも多いです。

症状が軽度であれば自宅療養となりますが、咳や発熱が長引いたり症状が悪化したりした場合は、入院治療になることもあります。

マイコプラズマ肺炎の感染状況

マイコプラズマ肺炎の感染がどれくらい拡大しているのか、全国や都道府県別の感染状況を見てみましょう。

全国の感染状況

国立感染症研究所の報告によると、2024年1/1~9/1の定点当たり累積報告数は5,934であり、2014年以降の10年間の当該週において、2016年の累積報告数10,376に次いで多かったようです。

また、第31~35週(7/29〜9/1)は、2014年以降もっとも多い水準で推移していました。こうしたデータからもわかるように、マイコプラズマ肺炎の感染者数は増加傾向にあるため、感染や感染拡大の予防に努めることが重要です。

参考:IDWR 2024年第35号<注目すべき感染症> マイコプラズマ肺炎(NIID 国立感染症研究所)https://www.niid.go.jp/niid/ja/mycoplasma-pneumonia-m/mycoplasma-pneumonia-idwrc/12871-idwrc-2435.html

都道府県別感染状況

第38週(9/16〜9/22)の都道府県別感染状況では、下記の地域でマイコプラズマ肺炎の感染者数が多くなっていました。

  1. 大阪府(877人)
  2. 東京都(584人)
  3. 愛知県(452人)

このほか、広島県や兵庫県などでも感染者数が多くなっており、西日本での感染拡大が懸念されます。

参考:IDWR速報データ 2024年第38週
https://www.niid.go.jp/niid/ja/data/12916-idwr-sokuho-data-j-2438.html

いますぐできるマイコプラズマ肺炎感染予防対策

マイコプラズマ肺炎の感染は拡大傾向にあり、人によっては重症化するリスクもあります。ここでは、マイコプラズマ肺炎に感染しないための予防対策を紹介します。

手洗い、咳エチケット、マスク着用を心がける

手洗い

マイコプラズマ肺炎の感染予防には、こまめな手洗いが効果的です。石鹸と水でしっかりと手を洗うことで、手についた病原体を除去し感染の拡大を防げます。

外出先から帰ったあとや咳やくしゃみをしたあとは、手洗いを徹底しましょう。また、手のひらだけでなく手の甲や指の間もきちんと洗うよう心がけることで、感染リスクを大幅に減らせます。

咳エチケット

マイコプラズマ肺炎の感染予防には、咳エチケットも重要です。咳やくしゃみをする際は飛沫を飛ばさないよう、ティッシュや肘の内側で口と鼻を覆いましょう。

また、使用したティッシュは速やかに廃棄し、その後は必ず手を洗うことが感染拡大防止につながります。特に公共の場や人が集まる場所では、周囲への配慮として咳エチケットを守りましょう。

咳エチケットについては下記をご覧ください。(東京都感染症情報センター)
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/cover-cough/

マスク着用

マスクの着用も、マイコプラズマ肺炎の感染予防対策として有効です。特に、感染が拡大している地域や密集した場所に行く際には、マスクを着用することで飛沫感染を効果的に予防できます。

また、マスクは自分が感染している場合の、他者への感染拡大を防ぐ役割も果たします。自分と周囲の安全を守るためにも、感染リスクが高い環境では積極的にマスクを使用しましょう。


厚生労働省ほか、下記サイトではマイコプラズマ肺炎に関する情報を閲覧できます。

■マイコプラズマ肺炎(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html

■マイコプラズマ肺炎に関するQ&A(平成23年12月作成、平成24年10月改訂)https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/index.html

■マイコプラズマ肺炎とは(NIID 国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/503-mycoplasma-pneumoniae.html


参考サイト

■マイコプラズマ肺炎(大阪府感染法情報センター)https://www.iph.pref.osaka.jp/infection/disease/20240809150148.html

■定点把握疾患(週報告)、(1週から当該週まで)報告数・定点当り報告数(NIID 国立感染症研究所)https://www.niid.go.jp/niid/ja/data/12916-idwr-sokuho-data-j-2438.html

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