今さら訊けない鍼灸・整骨院のためのSEO対策。そして、MEOの重要性とは?
治療院のWebサイトやブログを運営している方であれば、SEOやMEOといった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
Googleの検索表示において重要な役割を担うSEOですが、いまひとつ理解できない方も多いかと思います。
「検索で上位表示させたいけど、それってSEO対策のこと?」
「そもそもSEOって何?」
「似たことばでMEOってあるけど、何のこと?」
本記事では、上記のような悩みをお持ちの治療院様に向けて、昭和初期から治療院に関わってきた医道の日本社がSEOとMEOについてお伝えします。
※今回の記事は、検索エンジンをGoogleに定めて解説いたします。
そもそもSEOって何?
SEOとは、正式名称の「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」から頭文字をとった略称で、簡単に言うと「Webサイトやブログなどを、検索上位に表示させること」です。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンでキーワード検索をすると、ページの1ページ目にすぐ表示されるサイトと、何ページも後ろのほうに移動しないと表示されないサイトがあります。これは、検索順位による差異です。
検索エンジンが「これはいいWebサイトだ」と判断すれば、該当サイトは表示される順位が上がります。逆の判定を受けると順位が下がります。
この検索順位を上げて、特定のキーワードを検索した際、自身のWebサイトをすぐに表示させるようにするための一連の取り組みがSEO対策です。
SEO対策ができていないと、例えば「鍼灸院」と検索しても、自院のWebサイトは上位に表示されず、後ろのページに流されてしまいます。
そうなると、鍼灸院を探している人がなかなか自院のWebサイトにたどり着けません。自院より上位に表示された別の鍼灸院のWebサイトを訪問し、その情報を閲覧します。
そのため、Webサイトからの集客(集患)を目指す場合は、SEO対策をおこない検索順位を上げることが重要となります。
SEO対策で大切な4つのこと
GoogleがWebサイトの掲載順位を決める際に重視するのは、サイトの品質です。
品質のみで検索順位が決まるわけではないですが、品質を高め「優良なWebサイト」とGoogleに判断されることで、よい影響があると言われています。
では、Googleが評価する高品質なサイトとはどのようなサイトか。これについては、Googleが「General Guidelines(検索品質評価ガイドライン)」としてガイドラインを公表しています。
参考:General Guidelines(※英文です)https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf
ガイドラインによると、Googleの評価で重要視されるのは以下の4点です。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
この4点を一般的に、頭文字からとってE-E-A-Tと呼びます。以前は-E-A-Tでしたが、2022年12月にガイドラインが改定され、「Experience(経験)」が追加されたことからE-E-A-Tとなりました。
本項目では、SEO対策においても重要となるE-E-A-Tについて解説いたします。
経験 / Experience
Webサイトのコンテンツ制作者が、そのテーマに関する情報を実体験に基づいて提供しているかどうかを評価する基準です。この基準では、一般的なネット上の情報をただまとめただけではなく、独自の価値が提供されていることが求められます。
たとえば、同じトピックについて詳細に説明している記事でも、すでに公開されている情報と同じ内容に留まるものは評価が低くなりがちです。しかし、実務レベルの経験や失敗談、具体的な解決策が含まれていると、その記事は「Experience」の観点から高く評価されます。
したがって治療院のブログなどの投稿記事では、患者の症例や施術結果、患者様の声(口コミ)が含まれていると信頼性が増します。Googleから高評価を受けるためにも、自院における経験や患者様から寄せられた口コミなどを、積極的に公開しましょう。
専門性 / Expertise
Webサイトのテーマや取り扱っている内容が、特定の分野においての専門性があるかどうかです。取り扱っているテーマやジャンルにどれだけ特化していて、かつ専門性の高い内容になっているか。治療院のWebサイトであれば、治療方法・施術・症状などに対しての専門知識や、有益情報がどれだけ盛り込まれているかです。
つまり、治療院がWebサイトの専門性を高めるためには、治療院ならではの質の高い情報を多く紹介することで、Googleからの高評価を受けやすくなります。
権威性 / Authoritativeness
Webサイトで情報を発信しているのは誰か、どのような人が発信しているのかといった、発信者の権威性も重視されます。
治療院の例で挙げると、同じような治療に関する情報を発信しているWebサイトでも、「治療院に携わってない完全な一般人」が発信するサイトよりも、「治療院の経営に携わり治療家としてもキャリアを積んだ有資格者」が発信するサイトのほうが権威性が高く情報に信憑性もある、と判断されます。
そのため「治療院で有用な資格を持っている治療家がいる」「治療の分野で何かしらの功をなして表彰された」「治療院を経営して○十年」などの実績があれば、積極的に情報を開示していくことが大切です。
信頼性 / Trustworthiness
Webサイトそのものが信用に値するか、信頼できる運営元か、といった要素が信頼性です。「このサイトは信頼していいサイトなのか」を判断しています。
自院のことや運営責任者の情報を詳しく掲載するのが効果的です。
また、他サイトから情報を引用したりリンクを貼ったりする際にも、専門性が高く信頼のおけるサイトのみにするなどの気配りが必要となります。
鍼灸・整骨院に必須のSEO対策とは?
治療院のWebサイトでSEO対策をおこなう際は、具体的にどのようなことに気をつければいいのでしょうか。必須である、3つの対策についてご説明します。
タイトルに合った記事内容にする
ブログやコラム記事を掲載する場合は、タイトルと記事の内容が一致していなければなりません。興味を持ってもらうために奇抜な単語を使ったものの、実際の内容とタイトルが合っていないと、記事に対する評価が下がるばかりか、検索からたどり着いたユーザーの不満にもつながるおそれがあります。
タイトルには検索で狙いたいキーワードを必ず入れ、そのうえで記事の内容をタイトルに合った内容にする。さらに記事の中身は、専門性の高い有益な情報を記載する。これによって、Googleにもユーザーにも「いい記事だ」と思ってもらえる可能性が上がります。
記事の内容も、Webサイトのテーマに即した内容を心がけることで、サイトそのものの専門性が高まります。サイトのテーマと、タイトルと記事内容。これらが合致した記事を掲載し続けることで、Webサイトの専門性と権威性が高まっていきます。
補足として、記事のタイトルをつける際のポイントとして、タイトルは30文字ほどに収めることをおすすめします。スマホから検索した場合、検索結果として表示されるタイトル文字数の上限が30字程度になるためです。
デバイスや環境によって多少変動しますが、スマホもパソコンも、どちらも表示文字数は多くとも40文字ほど。どの端末からでもタイトルが全文表示されるように、30文字〜長くとも35文字ほどにしておくのが良いでしょう。
ユーザーボイスや口コミ情報を掲載する
患者様からの口コミや感想を掲載するのは非常に有効です。実際に施術を受けた患者様の声は、自院独自のコンテンツとなります。他院にはないオリジナルの情報としてWebサイトの専門性や独自性が高まります。
また、患者様の口コミを掲載することで、治療院選びで迷っている方に安心感を与えられ、新規顧客の獲得にもつながります。
鍼灸・整骨に関連する他サイトからのリンクをもらう(被リンク)
もし周りに信頼できるWebサイトを運営している方がいれば、そのサイトに自院のサイトのリンクを貼ってもらえないか確認してみましょう。ほかのサイトからリンクを貼ってもらうことで、Googleが自サイトを信頼度の高い優良なサイトだと判断される可能性が高まります。これを、SEOの用語で「被リンク」や「バックリンク」と呼びます。
ただし注意しなければいけないのは、闇雲に被リンクをもらっても意味がないばかりか、Googleに「自演」と判断されて評価が下がってしまうことです。
治療院のWebサイトであれば、鍼灸や整骨といった同様のテーマを扱うサイトで、かつ、きちんと信頼できるサイトからリンクをもらうことが重要となります。
リンクをもらうサイトが、権威性の高い優良なサイトであればあるほど「優良サイトがリンクを貼っているから、リンク先のサイトも優良だろう」と判断されやすくなります。
また、被リンクとは別に「サイテーション」と呼ばれる方法も有効です。
サイテーションとは、Web上で誰かに言及してもらうことで評価が上がる仕組みです。例えば、患者様がブログやSNSで自院について触れることによって、Googleに「話題に上がっているのでいい治療院に違いない」と判断され、評価が上がりやすくなります。
被リンクと違うのは、被リンクは自サイトのURLを貼ってもらう必要があるのに対し、サイテーションは話題に上げて言及してもらうだけでいい点です。
このサイテーションは、SEOはもちろん、後述するMEOには特に影響を及ぼすとされています。
そのため、可能であれば患者様にブログやSNSでぜひ自院のことに触れてもらい、治療院の名前やサイトの名称を発信してもらうことができるとよいでしょう。
地域性が重要な、鍼灸・整骨院の強い味方MEOとは?
検索順位の点で、SEOと同様に重要になるのがMEOです。
接客業・サービス業で店舗を構えるのであれば、SEO以上に重要になるかもしれません。
ここからは、治療院の運営においても非常に重要となるMEOについて、わかりやすく解説します。
参考:https://www.asobou.co.jp/blog/web/meo
MEOって何?
MEOとは「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」のことで、頭文字をとってMEOと呼ばれています。
MEOは一言で表すと「SEOのGoogleマップ版」です。
例えばGoogleで「整骨院 東京」で検索した際に、検索結果としてGoogleマップが表示されることがあります。
このマップ上に表示される情報のこと、あるいは情報が表示されるように対策することを総じてMEOと呼びます(ローカルSEOと呼ばれることもあります)。
なぜ、鍼灸・整骨院にMEOが大切なのか?
スマホ利用者の増加
なぜMEOが重要なのか。その理由のひとつはスマホの普及です。
誰もがスマホで手軽に情報を検索できるようになったため治療院に限らず、店舗を調べる際は、パソコンよりもスマホでの検索が増えています。そしてMEOは、特にスマホユーザーに対して高い効果を発揮します。
MEOは店舗の所在地や営業時間・電話番号・Webサイトといった店舗情報を地図情報とセットで表示する機能です。
外出先で店舗を検索する際は、検索して見つけた近隣や地元の店舗にそのまま赴く確率が高いです。このようなユーザーに対し、MEOによって自店舗の情報を表示させることで、顧客獲得が狙えるのです。
クリック率が高く、集客につながりやすい
Googleマップは、ユーザーが検索した単語や位置情報をもとに、関連性が高い店舗を表示します。ユーザーの所在地や住んでいる地域に近い情報が表示されると、ユーザーに興味を持ってもらいやすくなります。
すなわち、情報詳細を確認してもらいやすくなり、クリック率も高くなることから、MEOは実際の来院につながる確率が高いのです。
MEO対策をしてみよう
MEO施策を実施するには、Google上で自院の詳細なプロフィールを入力する必要があります。
それにはまず、Googleビジネスプロフィールへの登録が必要です。
登録手順を解説いたしますので、Googleビジネスプロフィールが未登録の方は試してみてください。
Googleビジネスプロフィールへ登録し、MEOをおこなう
自院がGoogleに認知されているかを確認する
まずは自院がGoogleマップに登録されているかを確認します。
Googleマップ検索で自院を検索してみてください。Googleは店舗情報をより多くのユーザーに提供するために、インターネット上の情報を元に店舗情報やビジネス情報を自動生成して、すでにマップに登録されていることがあります。
ただし、内容が誤っている場合もあるため、地図上の店舗の所在地や周辺までしっかり確認してください
Googleマップ上の掲載の有無によって、登録の手順が少し変わります。
掲載がない場合は『掲載がない場合』を、すでに掲載があれば『掲載がある場合』をご参照ください。
また、前提としてこれらの作業は、自院の情報と紐付けて構わないGoogleアカウントからログインした状態で始めてください。
(※以下の登録方法は記事公開時(2022/10/28)の情報です。)
掲載がない場合
① Googleのビジネスプロフィールを作成する
ビジネスプロフィールの作成ページにアクセスします。
https://www.google.com/intl/ja_jp/business/
② プロフィール情報の登録をする
右上の『管理を開始』ボタンを押すと、登録する情報の入力が始まります。
指示に従って順番に情報を登録してください。この段階で求められる情報については、次におこなわれる手順のために正確に記入してください。
③ オーナー確認をおこなう(要審査)
ここまでの情報の登録が完了すると、オーナー確認に移ります。
オーナー確認には以下の5つの方法があります。
・電話またはテキストメッセージ
・メールアドレス
・録画
・ライブビデオ通話
・ハガキ
各取得方法の詳細については、Googleでオーナー確認を行う方法を参照ください。
どの方法で行うかリクエストしてください。
多くの場合、審査が必要となり、約7営業日ほどかかります。
④ 情報入力を続行
オーナー確認をリクエストしたら、情報の入力を続行します。ここから先の情報は一時スキップしたり、のちほど変更したりしても問題ありません。
入力が完了したら、あとは審査結果と確認コードの到着を待ちます。
⑤ 確認コードを入力
審査が通り、Googleからの確認コードが届いたら、管理画面で確認コードを入力します。入力ができたら、Googleビジネスプロフィールの登録は完了です。
患者様に興味を持ってもらえるように、営業情報や写真などを更新してプロフィールを充実させましょう。
掲載がある場合
① Googleマップ上の店舗情報から『詳細情報』を確認する
すでにGoogleマップに自院の登録がある場合は、店舗の詳細情報を確認してください。情報欄に「ビジネスオーナーですか?」といった文言の表示があるかと思いますので、そちらをクリックします。
② 情報を追加・修正する
Googleに登録されていた情報が、実際の情報と合っているか確認します。誤りや不足があれば、Googleアカウントで管理画面にログインして追加・修正してください。
③ オーナー確認をおこなう(要審査)
ここまでの情報の登録が完了すると、オーナー確認に移ります。
オーナー確認には以下の5つの方法があります。
・電話またはテキストメッセージ
・メールアドレス
・録画
・ライブビデオ通話
・ハガキ
各取得方法の詳細については、Googleでオーナー確認を行う方法を参照ください。
どの方法で行うかリクエストします。
多くの場合、審査が必要となり、約7営業日ほどかかります。
④ 情報入力を続行
オーナー確認をリクエストしたら、情報の入力を続行します。ここから先の情報は一時スキップしたり、のちほど変更したりしても問題ありません。
入力が完了したら、あとは審査結果と確認コードの到着を待ちます。
⑤ 確認コードを入力
審査が通り、Googleから確認コードが届いたら、管理画面で確認コードを入力します。入力ができたら、Googleビジネスプロフィールの登録は完了です。
ユーザーに興味を持ってもらえるように、営業情報や写真などを更新してプロフィールを充実させましょう。
MEOは、Googleビジネスプロフィールを登録して、営業情報や写真などを更新しプロフィールを充実させるだけで対策できます。簡単なのでぜひおこなってみることをおすすめします。
まとめ
SEO・MEOは集客や認知拡大のために非常に重要で、治療院の集客においてはとりわけMEOでの対策が大切です。
営業情報や写真など一気に進めるのは難しいかもしれません。自院のできる範囲で進めていき、徐々に充実させていくことでも有効です。
本記事を参考に、SEOとMEOの施策をそれぞれおこない、集客アップを目指してはいかがでしょうか。