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治療院開業に必要なこととは?開業までの5ステップを紹介

公開日:2024年10月3日

治療院を開業するには、しっかりと事前の準備と計画を実施する必要があります。適切な事業計画の策定やコンセプトの設定、そしてそれらに基づく物件の選定は重要です。

ほかにも、必要な器具や設備の準備、資金調達、法的手続き、さらには集客施策を通じて地域に根付いた治療院づくりなど、開業に至るまでにはさまざまなステップがあります。

今回は、治療院開業に向けて必要な5つのステップを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【ステップ1】事業計画の立案とコンセプト決め

治療院を開業する最初のステップは、「事業計画の立案」と「コンセプト決め」の2つです。まずは治療院を開業するための事業計画の立案方法や、コンセプト決めのポイントについて紹介します。

事業計画を立てる

事業計画は、治療院を開業するにあたってもっとも重要なステップです。事業計画書は、開業後の経営を成功させるための基本であることに加え、後の融資審査にも必要となるので覚えておきましょう。

事業計画を立てる際は、どのような治療院にしたいのかといった、事業のビジョンを明確にします。そのうえで、初期費用や運営資金、売上や利益の見込みなどの数字を具体的に書き出し、現実的な計画を立てることが重要です。

計画がしっかりしているほど、経営の方向性が明確になり、成功への道筋が見えてきます。

治療院のコンセプトを決める

事業計画と同様に重要となるのが、治療院のコンセプトを決めることです。どのような施術を提供し、患者さんのどういった悩みを解決したいのかを具体的に考えましょう。

コンセプトは経営の基本となり、自院の特徴や強みを明確にすることで、差別化を図れます。

また、来てほしい患者層の年齢や性別、職業、居住地、抱えている不調をイメージすることで、施術単価や開業場所の選定にも役立ちます。

>コンセプトの重要性については下記記事でも詳しく解説しています。
開業準備が重要!整骨院の開業で失敗しないためのポイント

【ステップ2】物件の選定

事業計画とコンセプトを決めたら、次は治療院を開業する物件の選定を進めます。物件の選定は、治療院開業後のコストや集客に大きく影響するため、慎重におこないましょう。

テナントか自宅か

治療院を開業するための物件の種類は、主に2つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身に合った方法を選びましょう。

テナントで開業

テナントでの開業は、場所を選べるという点が大きなメリットです。しかし、初期費用や月々の賃料などのコスト負担が発生するというデメリットもあります。事業計画とメリット・デメリットを照らし合わせながら考える必要があります。

テナントの立地は、ターゲットとする患者層が訪れやすい場所であるか、周囲に競合が多くないかなど、慎重にリサーチしたうえで検討してください。

また、物件自体の広さや設備が施術内容に適しているかもチェックしましょう。

自宅で開業

自宅で治療院を開業する最大のメリットは、テナントや物件を借りるケースに比べて、初期費用を抑えられる点です。また、生活と仕事を両立しやすく、通勤時間が不要な点も大きな魅力となるでしょう。

しかし、立地を選べない、院内に生活感が出てしまう可能性があるなどのデメリットもあります。

治療院開業を成功させるには、プロフェッショナルな空間づくりが不可欠です。

患者さんが通いやすい環境かどうか、自宅の一部を治療院として適切に活用できるかを慎重に検討しましょう。

コンセプトをもとに物件を探す

物件は集客に直結するため、来てほしい患者層や治療院のコンセプトにマッチした物件を選びましょう。

まず法令で定められた施術室や待合室の広さ要件に適しているかを確認しましょう。施術室は6.6平方メートル以上、待合室は3.3平方メートル以上のスペースが必要です。

(参考)あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則:第二十五条
https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000100019#Mp-Ch_3-At_25
(参考)柔道整復師法施行規則:第十八条
https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000100020

内見時には、物件の入口が患者さんにとって入りやすいか、体感の広さや間取りが適しているかも確認します。また、設備の状態やコンセントの有無・数もチェックしましょう。

さらに、周辺環境も重要です。アクセスの良さや周囲の雰囲気、競合施設の有無、治安、そしてターゲットとなる患者層が日常的にそのエリアを訪れているかをチェックします。

これらの要素を考慮し、コンセプトに合った物件を選ぶことで、治療院成功に近づきます。

なお、物件探しの際は、インターネットの物件サイトを活用し、不動産仲介業者を通じて効率的におこなうのがおすすめです。

>物件選びの大切さについては下記記事でも紹介しています。
鍼灸院の開業を考える方必読!必要な資金や準備を解説開業準備が重要!整骨院の開業で失敗しないためのポイント

【ステップ3】資金調達と設備投資

治療院を開業する際に欠かせないのが「資金調達」と「設備投資」です。どれくらいの資金が必要なのか、どのような設備が必要なのかを紹介します。

資金の調達

治療院の規模や場所によって変動しますが、一般的には1,000万円前後の資金が必要です。内訳には、施設資金、内外装資金、機器・設備資金、運転資金、広告資金、そして求人・採用資金などが含まれます。

これらをすべて自己資金でカバーするのは難しいため、多くの場合は借入が現実的な選択肢となるでしょう。借入方法にはおもに、銀行融資、日本政策金融公庫、自治体の融資制度などがあります。

いずれの方法を選んでも借入には返済が発生するため、しっかりとした資金計画書の作成が必要です。返済計画や収益予測を立てたうえでの、無理のない借入額の設定が求められるでしょう。

>開業資金については下記記事でも詳しく解説しています。
鍼灸院の開業を考える方必読!必要な資金や準備を解説
「整骨院を開業したいけれど、資金はいくら必要?」「資金調達はどうすればいい?」

必要な器具や設備を準備する

治療院の開業には、器具や設備の準備が必要です。施術に不可欠なベッド(施術台)や椅子、パーテーションなどの設備に加え、タオルやシーツ、荷物入れなどの備品も揃える必要があります。

また、例えば鍼灸院を開業する場合は、針やお灸などの消耗品も準備します。

さらに、問診表、パソコン、レジ、消毒用品、BGM設備など、日々の運営に欠かせないアイテムもリストに加えましょう。

設備や備品のリストを事前に作成しておくと、資金調達の際に必要な額を正確に見積もることができます。

綿密なリストをもとに、必要な器具や設備を計画的に揃え、治療院の運営をスムーズにスタートさせましょう。

【ステップ4】開業に必要な書類を提出する

治療院を開業する際には、法的手続きや届出を進める必要があります。
主に下記の届出が必要です。

開業届

まず、必須となるのが、開業届の提出です。これは、税務署に対して自院の開業を届け出る重要な手続きです。

保健所への届出

次におこなうのが、保健所への届出です。保健所の指導や検査を受け、必要な条件を満たしていることを確認してもらいます。

消防検査

治療院では消防検査も必要です。これは、火災防止の観点から設備や安全性を確認するものです。

療養費の受領委任払いのための届出

健康保険(療養費)の受領委任払いに関する届け出も忘れずにおこないましょう。これにより、患者さんが保険を利用して治療を受けた際の費用を受領できるようになります。

これらの書類や手続きを実施することで、治療院の運営を開始できるようになります。計画的に準備を進め、開業に必要な書類を漏れなく提出しましょう。

【ステップ5】集客施策をおこなう

治療院の運営を軌道に乗せるためには、集客施策が必須です。集客には、オンラインとオフラインの両方でのアプローチを検討しましょう。

【オンラインでの集客施策】

まずオンライン施策として、治療院のWebサイトを作成し、検索エンジンでの露出を高めましょう(SEO対策)。また、SNSアカウントの作成と運用もはずせません。定期的な情報発信を通じて多くの人に認知されるようにしましょう。

そのほか、予約システムの導入やPPC広告、Googleビジネスプロフィールを活用することで、より効率的に集客を進められます。

【オフラインでの集客施策】

オフライン施策としては、地域に密着した治療院を目指すために、直接的にターゲット層にリーチする方法が効果的です。チラシのポスティング、地域情報誌に広告を掲載するなどの方法が考えられます。

オンラインとオフラインを組み合わせ、幅広い集客施策を実施することで、治療院の認知度を高め、成功への一歩を踏み出しましょう。

>治療院の集客については下記記事でも詳しく解説しています。
【2024年版】治療院の集客はどうすべき?手法や考え方まで解説

まとめ

治療院を開業するために必要なことを、5つのステップでお伝えしました。

開業には多くの準備や計画が必要です。治療院の開業を検討している方は、事業計画やコンセプト決め、物件の選定に資金調達や設備投資などを慎重に進めていきましょう。

そして、治療院は開業がゴールではありません。開業後の集客施策を通じて、経営を軌道に乗せることが重要です。

本記事で紹介した5つのステップを参考に、治療院の開業を進めてください。

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