(8)前庭オリエンティング・テクニック

適応
  • 軽度から中度の熱いむち打ち症
  • 交感神経系の活性化など
目的
  • 副交感神経系を活性化し、緊張させる頭部・頚部の姿勢をリセットする
ルカウ
前庭オリエンティング・テクニック。ページ番号は?
女性
94ページです。
ルカウ
これは頚部ワークショップからの再利用ですが、ここではトラウマ関連に特別に注意します。熱いむち打ち症に関連するためです。このテクニックの仕組みは本当に単純です。調子はどうですか?
患者
大丈夫です。
ルカウ
よかった。私が中程度の伸展を感じるまで、頭部を持ち上げていきます。頚部の伸展ではありませんが、頭部を持ち上げて始めます。それからゆっくり低くしていきます。これは、患者は頭部をおさえることを感じる位置です。ぶら下がる小さい瞬間を説明しました。多くの活性化として、何かが締まります。自律神経系を活性化するわずかな瞬間、不安定性や習慣性抑制があります。あるいは、損傷した姿勢や頚部に関連するかもしれません。手で支える頭部が軽くなるように思える場所、または患者がこらえていると感じる場所がわかれば、そこで待ちます。頭部のリリースを待つだけです。これはかなり時間がかかる場合もあります。重要なのは、私の筋で頭部を保持しようとするのに対して、私が椅子で快適に座り、私の体重はベッドにかかっていることです。頭部の下にある手関節はベッドにのっています。
女性
後頭骨に触れていますか?
ルカウ
つかんでいるところは……ちょっと見てみましょう。頭部を動かしますね。すみません。快適に保持しなければなりません。快適ならどのようなつかみ方でも構いません。両手でつかむのも可能です。つかみ方は重要ではありません。
女性
わかりました。
ルカウ
時間をかけてゆっくり低くできるよう自分に快適なやり方を選んでください。私自身の身体が快適であることも重要です。私自身がリラックスできているかを確認できることも重要です。患者の頚部が負傷している場合、頭部を動かすことに非常に慎重になる必要があります。このテクニックが一般原則と違う部分として、熱いむち打ち症では、運動性、つまり、患者の動ける能力を用います。これは可動性、つまり、患者の他動運動、または動かされる能力とは対照的です。患者に行わせる運動は通常、あなたが行う運動よりずっと安全です。このテクニックの原理は、他の種類の急性損傷でも有効です。椎間板損傷でも有効です。この原理は安全に行うのにとても役立ちます。患者の運動を伴う場合、通常あまりに痛みを伴う場所やむち打ち症の運動では押し込みません。むち打ち症では非常に役立ちます。なぜなら、むち打ち症では癒着を予防して、組織を流動的に保ち、それらの反射を再建し始めるためです。
テクニックに戻りましょう。ここで行っているのは、患者の頭部が再び重くなるのを待っているだけです。再び言いますが、頚部が負傷していれば、持ち上げる段階では、非常に注意し、低くしながら、調子についてコミュニケーションをとります。特にめまいを感じないか尋ねます。気分はどうですか?
患者
よいです。
ルカウ
めまいがする場合、その位置から少し後退し、めまいが鎮静するのを待ちます。合図のやりとりを始めることさえできます。めまいが落ち着けば示指を立ててもらい進めます。ただ待つだけです。4、5回の呼吸後かもしれませんが、指で知らせてもらい、触れて、「めまいがまた始まったら、指を立ててください」と言うこともできます。実際患者がブレーキを少しかけるのを感じることができます。このような会話を患者とすることができます。これにはとても多くの情報が含まれます。質問はありますか?
女性
緊張する場所といった、手に入れた情報を後のテクニックで使いますか?
ルカウ
ええ。知らせることもできます。正確には伝えられないかもしれません。この角度なら、この部位だと示せる図表はないです。何かが起きていることを示すというのは、ある意味、調べても面白いかもしれません。
女性
危険な徴候はありますか? 先に医師に診てもらうべきですよね? 言いたいのは、さまざまな診断を受けた患者がいるので、危険な徴候はあるのでしょうか。例えば患者がベッドに寝ても問題ない、と医師が言うとか。
ルカウ
そうですね。
女性
何か確認すべきことはありますか。
ルカウ
質問は、医師が問題ないと言うにせよ言わないにせよ、危険な徴候など私たちが注意すべきことはあるか、ですね。簡単に言うと、吐き気を催せば、良くありません。眼が動けば、良くありません。良くないことか実際はわかりませんが、注意すべき徴候です。嘔吐する場合もです。そのときは施術を止めます。そんなところです。必ずというわけではありませんが、靭帯が曲がることによる神経・脊髄圧迫の徴候だったりします。靭帯がずれたり、裂けたりすると、骨は脊髄を押して、このような徴候を引き起こします。このような徴候ではないこともありますが、これらは注意すべき徴候です。
女性
別の整形外科マッサージのクラスを受けたんですが、講師は頭部の一番上を押していきました。
ルカウ
少し圧迫したんですか?
女性
続けていって、めまいや異常があるか確認しました。
ルカウ
興味深いです。そのテストを知りませんでした。通常、私はリリースを考え、患者が不安定であれば、下げることなどに関してとても慎重になります。
女性
むち打ち症でそれを考えました。
女性
しょっちゅう思うのは、腸骨損傷は全然診断されないことです。つまり、むち打ち症を抱えている場合、腸骨損傷はあやふやでも影響力が大きいものです。
ルカウ
ええ、影響力が大きいです。
女性
多くの場合、MRIもありませんし、軽度であれば、X線写真さえないこともあります。
ルカウ
そうです。これは大きな問題です。
女性
良くならない場合までMRIを使いませんので。
ルカウ
そのとおりです。たくさんのことが起きています。
女性
ちょっと怖いです。
ルカウ
私たちは、きちんと確認する必要があります。

(最後のインタビュー部分の訳は割愛)