(16)母指球テクニック
適応
- 手根管と神経血管の圧迫症状を含む母指、手関節、手の痛み。
- 「ブラックベリー母指」、「ゲーマーの母指」、ド・ケルヴァン症候群のような酷使に起因する痛み、虚弱、拘縮。
目的
- 母指球と手掌の筋膜、腱、筋組織を分離し、弾力性を回復させる。
- ルカウ
- 次、ページ5ですね(訳者注:セミナー資料のページ番号。『筋膜リリーステクニック』では190ページ)。タイトルは何ですか?
- 生徒
- 母指球です。
- ルカウ
- 母指球。指を組み合わせます。私の両手の示指は患者の中指の横につきます。組み合わせてつかんで手掌を開きます。このつかみ方はご存じかもしれません。ここで行うのは、私の母指で母指球を広げることです。カメラに見せます。通常この姿勢では行いませんが、見せるとこのようになります。必要があれば押してください。今広げています。どうですか?
- 患者
- 快適です。
- ルカウ
- よかった。手掌の母指側を広げます。こんな感じです。徹底して行います。自分の母指を使ってみたらわかると思います。母指を屈曲させましょう。母指の先端を用いています。こんなふうに平たくしないことです。関節によくありませんし、持続できません。母指は屈曲させるようにしましょう。何かの理由であなたの母指が怪我をしていたり、うまく機能しなかったりする場合、患者の手を下に置き、軽く握った拳などで同じようにできます。全く同じではありませんが、効果的です。質問どうぞ。
- 女性
- その場所を押しているときは、母指で広げている感じですか?
- ルカウ
- 「この場所を押して広げているか?」という質問ですね。そうです。母指が手掌についている構造を考えています。この運動では母指を用いるので、母指と手掌が狭まります。この空間全体を広げています。
- 女性
- わかりました。
- ルカウ
- ほかに質問はありますか?
- 女性
- このテクニックで指を開くのが不快な患者さんはいますか? 人によって、水かきがなかったり、指がそれほど開かなかったりするかもしれません。
- ルカウ
- 「このテクニックで指を開くのが不快な患者さんはいるのか?」という質問ですね。そのような患者に会ったことはありませんが、不快感があれば、やめるか、行う量を減らすか、別の似たようなテクニックを用います。
- 男性
- 手をどこに引っかけているか、もう一度見せてくれませんか。
- ルカウ
- う一度母指球を見ましょう。ここを広げます。このように広げます。この方向です。この方向からも見せましょう。私の指はすべてつけています。後ろ側から四指で広げています。
(最後のインタビュー部分の訳は割愛)