(13)仙腸関節前面・後面リリーステクニック
目的
- 仙腸関節の前方および後方の適合性における左右のバランスをとる。
- ルカウ
- ページ番号を教えてください。
- 生徒
- D-03(訳者注:セミナー資料のページ番号。『筋膜リリーステクニック』では154ページ)。
- ルカウ
- タイトルは何だったかな。
- 女性
- 仙骨と上前腸骨棘(ASIS)への抵抗圧
- ルカウ
- ここ圧痛がある?
- 患者
- ええ。
- ルカウ
- 仙骨と上前腸骨棘へ抵抗圧をかけます。患者は右側が少し後ろに下がっているため、右側を持ち上げます。患者の下、仙骨前面の右側に指を置いて、腸骨が落ちるようにします。ここを触ると少し圧痛があるそうです。
- 患者
- 案内しているみたい。
- ルカウ
- 指は患者の仙骨下に置きます。
- 男性
- もう一度見せてください。
- 男性
- 仙腸関節のくさびテクニックみたいです。
- ルカウ
- くさびテクニックに似ていますが、仙骨にそこまで指をかけません。傾けるだけです。傾けて戻るようにさせます。
- 女性
- 仙骨に指を立てていますか?
- ルカウ
- 指先で持ち上げます。少しだけです。ええ、上後腸骨棘(PSIS)内側ですね。
- 女性
- 右手をどうしていますか? 押しているのですか?
- ルカウ
- 抵抗圧を少し脊柱前面にかけ、腸骨全体を後退させようとしています。押すのではなく、傾けるのです。どうですか?
- 患者
- とてもよいです。
- ルカウ
- ええ。
- 患者
- 最初、圧痛があったんですが、緩和したようです。
- ルカウ
- 少しはよくなったと。
- 患者
- ええ。
- ルカウ
- あなたたちにもこれができます。これは優しいテクニックです。左右両側でこれができます。明らかにこちら側をさらにリリースしたいですが、うつ伏せになったときにそうします。骨盤全体のよい準備になり、軟化し適合できるようなります。こちら側は私の手の感じ方も違ってきます。
- 女性
- そちら側はどう感じますか?
- ルカウ
- こちら側は感じ方が違います。さらに骨ばっています。
- 男性
- 骨と考えていても、組織がリリースするのを待つんですね。そっと押していても、押し付けてはいない。
- 女性
- 両側で行うんですか?
- ルカウ
- 一度に片側で行います。両側で行うのは、骨盤全体をシフトさせる準備をしているためです。ほかにいいのがあるかわかりませんが、この比喩をどのクラスでも言っています。桟橋からボートを押す感じです。傾けると、漂い始めますよね。始めは動きませんが、そっと漂い始める、その感じと同じです。
- 患者
- 下肢でそれを感じています。
- ルカウ
- 感じているんですね、分かりました。
(最後のインタビュー部分の訳は割愛)