(1)呼吸運動テクニック
適応
- トラウマや交感神経系の自律神経の覚醒(興奮、不調など)。
- 固有感覚の減少。
- 呼吸制限。
目的
- 交感神経(「闘争または逃走」)を鎮める。
- ゆっくりとした自動運動を誘導する。
- 固有感覚の増加。
- ルカウ
- 呼吸運動テクニック。呼吸運動テクニックは呼吸を自由にするためのテクニックです。肩を呼吸に反応させます。呼吸は多くの方法で肩を支えています。一つは、肩を頭頚部からつるし、下に引く方法です。もう一つの方法は、胸郭を満たすことで呼吸が下から肩を支えます。患者はすでに私の両手の間で呼吸をしているわけですが。呼吸に努めています。
- 患者
- 呼吸を止めたほうがいいですか?
- ルカウ
- はい……いえいえ、冗談です(笑)。少しずつ呼吸してみてください。さらに楽にできます。私たちには十分な身体感覚があります。特にボディワーカーなら、患者の呼吸に介入したりしますが、この方法は違います。楽に、意志によって呼吸を押し出すことなく、呼吸を移して領域を拡大させリラックスさせます。背部で呼吸を押し出すのではなく、呼吸を背部に落としてもらいます。呼吸が独自の重さを持っている感じです。前方には明らかに動いていますが、背部ははっきりしません。患者は呼吸を背部に持っていくやり方を調べています。「サンドイッチの考え方は、古くからロルフィング®で使われる比喩です(訳者注:「呼吸運動テクニック」は「呼吸サンドイッチ」とも呼ぶ)。ライ麦パンの表と裏のように、身体には前面と後面があります。肉など好きなものをパンの真ん中に挟むように呼吸を移動させます。呼吸は身体の真ん中、前面と後面の間を通ってきます。私の手はシャベルや磁石とは違います。手は単に場所を示して、呼吸を招き入れています。圧迫を少し用いることはありますが、抵抗するのではなく、呼吸を前面と後面に等しく移動する手伝いをするだけです。これを身体中で行うことができます。特に肩や外側のワークショップで最適です。これはとても単純な概念ですが、これにセッションすべて費やせば、患者は変わります。時間を取って呼吸を身体全体のさまざまな場所に移動させることで、ベッドから浮いているように感じ、身体と呼吸を通じた関係が完全に変わります。
(場面転換)
- 患者
- 首で何かを感じます。
- ルカウ
- 痛みとか?
- 患者
- ここらへんに硬い感覚があります。
- ルカウ
- こちらではあなたの呼吸が落ち着いているようです。
- 患者
- 呼吸をここに入れるのに慣れていないので……。
- ルカウ
- 普段行わないことを行います。自分の手でやってみてください。
- 患者
- 変な感じです。リラックスできます。
(最後のインタビュー部分の訳は割愛)