医道の日本アーカイブス1 名人たちの経絡治療座談会
経絡治療の立役者、大いに語る!
逝去直前の柳谷素霊の指示のもと、岡部素道、竹山晋一郎、本間祥白、井上恵理、丸山昌朗ら経絡治療の黎明期を支えた立役者が「医道の日本」誌に集結。1959 年から1962 年にわたって、経絡治療成立の歴史的経緯から臓腑経絡、気血病因、病証、補瀉、臨床までを熱く論じた「経絡治療座談会」を再録しました。さらに、小野文恵、山下詢、井上雅文、島田隆司らが参加し、1980 年に掲載された座談会「経絡治療について」、座談会参加者の横顔を振り返る「斯界の人々」、貴重な第1回経絡治療夏期大学に使用されたテキストなども収録します。古典派の治療家にとって臨床のヒントになるのはもちろん、古きを温め、未来の鍼灸界を考えたい方も必読です。
ISBN | 978-4-7529-1452-5 |
監修 | 岡田明三(経絡治療学会会長) |
仕様 | A5判 約400頁 |
発行年月 | 2015/8/10 | 価格 | 4,730円(税込) |
目次
序
■第1部 経絡治療座談会
経絡治療発生の歴史的必然性[1]
はじめに/歴史は科学に先行する/経絡治療の名づけ親/鍼灸術の革新/西洋医学的改変は不成功/西洋文明の再検討/身体のなかに木火土金水なぞあるものか/古典に還れ/鍼灸の科学化/明治末年の治療法は/丹波康頼の医心方/夢分流/手法の変遷
経絡治療発生の歴史的必然性[2]
手法の変遷(続き)/杉山流/八木下勝之助翁の影響/『東京鍼灸医学誌』/沢田健先生と城一格先生の影響/大正年間の鍼の名人/沢田流のツボ/『東邦医学』の夏期講習会/古典研究会/肝虚証の治験/『難経』七十五難/古典の写本/『鍼灸重宝記』と脈診/鍼灸の独立/鍼灸専門の本/北京の街は陰陽五行/柳谷素霊氏と経絡治療/鍼灸治療の体系/関東と関西
◆斯界の人々◆ 竹山晋一郎
臓腑経絡論[1]
人体の構成/生成について/宗気/五臓説/心包と三焦/命門/『難経』の発案/現代的な命門観は……/現代医学と古典の接近/古典の考え方
臓腑経絡論[2]
臨床的に把握すること/傷寒論の三陰三陽は鍼灸のとは違う/臓腑をどう解釈すべきか/経絡/絡脈/経筋/経水/九鍼/瀉血/治療的立場からの分類
◆斯界の人々◆ 石野信安
気血病因論[1]
気血論/栄衛と気血/唯物論か形而上学的か/気と血は別々には考えられない/『難経』の気血観/分析と統合/臨床的にどう診るか
気血病因論[2]
お灸は鍼の下か/現代医学と違った面/素因/内因/外因/食毒、薬毒/概括化した分類法は/『内経』における素因論/七情/行動的病因/病位の移動/外邪の種類/病と季節
◆斯界の人々◆ 岡部素道
病証論[1]
症と証/概念的、理論的過ぎる/沢田健先生の治療法/反応点治療/症状と証候/西洋医学的にはまずい/患者の訴える痛いところへ手っ取り早く手がいく/湯液のほうの病位/経絡治療には普遍性がないか/経絡を否定しても病気は治せる/一番易しい治療法が経絡治療だ/五行説は大きな抵抗だ
病証論[2]
病の症について/雑多な症をいかに概括するか/陰陽虚実/病因と症状/『素問』至真要大論/『難経』の病証の概括/『素問』蔵気法時論/時代的な病因/症のたくさんある場合の判断/一経だけで済むものじゃない/迷いの種/道はいくつでもあるけれど/一をつかめば全体の法則が身についてくる/納得のいくものをつくっておくこと
病証論[3]
患者の訴えをどう整理するか/時間的な差異/台風の前に傷が痛む/体質があっての変化/虚を取るか実を取るか
◆斯界の人々◆ 井上恵理
病証編(病症論[4])
聞診/切診(腹診)/間中氏の腹診/鍼灸の内容/切経(経絡診)/虫垂炎とマックバーネー氏点と圧痛点/硬結と圧痛虚実の問題/脈診/脈診と毫鍼/組織立てようとする性質
続・病証編
客観性と習字/治療点省略の拠りどころ/二金属貼用療法/経絡治療のあら
◆斯界の人々◆ 本間祥白
証決定について
補瀉について
補瀉するための前提条件/虚か実かの判定/刺した鍼がどう効いたか/次の患者に移るとき/痛くない鍼/直刺・斜刺/灸と灸との「間」の問題/鍼の技術と勘/ツボは立体的/患者の一人ひとりに合う治療
◆斯界の人々◆ 間中喜雄
◆斯界の人々◆ 芹沢勝助
臨床を語る[1]
各自得意とする治療について/治療の土台である穴の取り方が不確かだ/シーソー現象/太衝ぐらいおもしろい穴はない/本態性高血圧症/インスタントな保険治療/鍼灸家の教育機関はおそまつだ/病気以前/知熱灸とは/蓄膿症は日限を切って治す
臨床を語る[2]
肛門周囲炎にいぶし灸/肩こり/偏頭痛の治療/腰痛の治療/椎間板ヘルニア/痛みを去る/鍼の深さ/坐骨神経痛/経絡は目に見えるか/農薬・インスタント食品の害
臨床を語る[3]
北鮮金教授の経絡発表をどう見るか/診断点と治療点は一致するか/湯液の脈と鍼灸の脈/脈診入門のいろいろ/経脈と経絡/近頃多い胃神経症
◆斯界の人々◆ 丸山昌朗
■第2部 経絡治療について
経絡治療について その
経絡治療の歴史/陰陽五行について/経絡治療の診断/脈診について/証の決定/治療/経絡治療の適応症/経絡治療のシステム化は
◆斯界の人々◆ 小川晴通
経絡治療について その〈前〉
経絡治療の現時点での評価/経絡治療に進歩が見られない/永遠性を持つ古典鍼灸/原石としての経絡治療/「経絡治療」という言葉の違和感/経絡治療の創成期/経絡治療体系の確立/経絡治療の継承発展/るつぼのなかで生まれた経絡治療/経絡治療の背景にある張介賓、滑伯仁、岡本一抱/始まったばかりの古典研究/重要な古典の校勘
◆斯界の人々◆ 小野文恵
経絡治療について その〈後〉
臨床サイドから見た経絡治療/接触鍼法の成立/「標治法」と「本治法」の関係、「症」と「証」の関係/元の概念から外れた「標・本」/未開拓の「望」「問」/証の内容を具体的に分析整理する必要がある/証の状態把握について/「実」則「瀉」と結びつくとは限らない/六部定位脈診では分からない病因/手技として補瀉/病因・病証を診断する「脈状診」/『経絡治療講話』の再評価/基準となる陰陽五行/経絡治療家と意識したことがない/「証」と「症状」を結びつける「病証」/多い「実」/内因・外因・不内外因/中医学概論について/経絡治療の流派とその背景/古典医学体系のなかでの位置の確認を/鍼灸治療の限界/「気」の分かる鍼と分からない鍼/医師が頼りにできる鍼灸師に
付録 資料編東邦医学社組織表経絡治療座談会を読んで・「経絡治療座談を読んで」に答う鍼灸経絡治療夏期講習会(第1回経絡治療夏期大学)テキスト
■第1部 経絡治療座談会
経絡治療発生の歴史的必然性[1]
はじめに/歴史は科学に先行する/経絡治療の名づけ親/鍼灸術の革新/西洋医学的改変は不成功/西洋文明の再検討/身体のなかに木火土金水なぞあるものか/古典に還れ/鍼灸の科学化/明治末年の治療法は/丹波康頼の医心方/夢分流/手法の変遷
経絡治療発生の歴史的必然性[2]
手法の変遷(続き)/杉山流/八木下勝之助翁の影響/『東京鍼灸医学誌』/沢田健先生と城一格先生の影響/大正年間の鍼の名人/沢田流のツボ/『東邦医学』の夏期講習会/古典研究会/肝虚証の治験/『難経』七十五難/古典の写本/『鍼灸重宝記』と脈診/鍼灸の独立/鍼灸専門の本/北京の街は陰陽五行/柳谷素霊氏と経絡治療/鍼灸治療の体系/関東と関西
◆斯界の人々◆ 竹山晋一郎
臓腑経絡論[1]
人体の構成/生成について/宗気/五臓説/心包と三焦/命門/『難経』の発案/現代的な命門観は……/現代医学と古典の接近/古典の考え方
臓腑経絡論[2]
臨床的に把握すること/傷寒論の三陰三陽は鍼灸のとは違う/臓腑をどう解釈すべきか/経絡/絡脈/経筋/経水/九鍼/瀉血/治療的立場からの分類
◆斯界の人々◆ 石野信安
気血病因論[1]
気血論/栄衛と気血/唯物論か形而上学的か/気と血は別々には考えられない/『難経』の気血観/分析と統合/臨床的にどう診るか
気血病因論[2]
お灸は鍼の下か/現代医学と違った面/素因/内因/外因/食毒、薬毒/概括化した分類法は/『内経』における素因論/七情/行動的病因/病位の移動/外邪の種類/病と季節
◆斯界の人々◆ 岡部素道
病証論[1]
症と証/概念的、理論的過ぎる/沢田健先生の治療法/反応点治療/症状と証候/西洋医学的にはまずい/患者の訴える痛いところへ手っ取り早く手がいく/湯液のほうの病位/経絡治療には普遍性がないか/経絡を否定しても病気は治せる/一番易しい治療法が経絡治療だ/五行説は大きな抵抗だ
病証論[2]
病の症について/雑多な症をいかに概括するか/陰陽虚実/病因と症状/『素問』至真要大論/『難経』の病証の概括/『素問』蔵気法時論/時代的な病因/症のたくさんある場合の判断/一経だけで済むものじゃない/迷いの種/道はいくつでもあるけれど/一をつかめば全体の法則が身についてくる/納得のいくものをつくっておくこと
病証論[3]
患者の訴えをどう整理するか/時間的な差異/台風の前に傷が痛む/体質があっての変化/虚を取るか実を取るか
◆斯界の人々◆ 井上恵理
病証編(病症論[4])
聞診/切診(腹診)/間中氏の腹診/鍼灸の内容/切経(経絡診)/虫垂炎とマックバーネー氏点と圧痛点/硬結と圧痛虚実の問題/脈診/脈診と毫鍼/組織立てようとする性質
続・病証編
客観性と習字/治療点省略の拠りどころ/二金属貼用療法/経絡治療のあら
◆斯界の人々◆ 本間祥白
証決定について
補瀉について
補瀉するための前提条件/虚か実かの判定/刺した鍼がどう効いたか/次の患者に移るとき/痛くない鍼/直刺・斜刺/灸と灸との「間」の問題/鍼の技術と勘/ツボは立体的/患者の一人ひとりに合う治療
◆斯界の人々◆ 間中喜雄
◆斯界の人々◆ 芹沢勝助
臨床を語る[1]
各自得意とする治療について/治療の土台である穴の取り方が不確かだ/シーソー現象/太衝ぐらいおもしろい穴はない/本態性高血圧症/インスタントな保険治療/鍼灸家の教育機関はおそまつだ/病気以前/知熱灸とは/蓄膿症は日限を切って治す
臨床を語る[2]
肛門周囲炎にいぶし灸/肩こり/偏頭痛の治療/腰痛の治療/椎間板ヘルニア/痛みを去る/鍼の深さ/坐骨神経痛/経絡は目に見えるか/農薬・インスタント食品の害
臨床を語る[3]
北鮮金教授の経絡発表をどう見るか/診断点と治療点は一致するか/湯液の脈と鍼灸の脈/脈診入門のいろいろ/経脈と経絡/近頃多い胃神経症
◆斯界の人々◆ 丸山昌朗
■第2部 経絡治療について
経絡治療について その
経絡治療の歴史/陰陽五行について/経絡治療の診断/脈診について/証の決定/治療/経絡治療の適応症/経絡治療のシステム化は
◆斯界の人々◆ 小川晴通
経絡治療について その〈前〉
経絡治療の現時点での評価/経絡治療に進歩が見られない/永遠性を持つ古典鍼灸/原石としての経絡治療/「経絡治療」という言葉の違和感/経絡治療の創成期/経絡治療体系の確立/経絡治療の継承発展/るつぼのなかで生まれた経絡治療/経絡治療の背景にある張介賓、滑伯仁、岡本一抱/始まったばかりの古典研究/重要な古典の校勘
◆斯界の人々◆ 小野文恵
経絡治療について その〈後〉
臨床サイドから見た経絡治療/接触鍼法の成立/「標治法」と「本治法」の関係、「症」と「証」の関係/元の概念から外れた「標・本」/未開拓の「望」「問」/証の内容を具体的に分析整理する必要がある/証の状態把握について/「実」則「瀉」と結びつくとは限らない/六部定位脈診では分からない病因/手技として補瀉/病因・病証を診断する「脈状診」/『経絡治療講話』の再評価/基準となる陰陽五行/経絡治療家と意識したことがない/「証」と「症状」を結びつける「病証」/多い「実」/内因・外因・不内外因/中医学概論について/経絡治療の流派とその背景/古典医学体系のなかでの位置の確認を/鍼灸治療の限界/「気」の分かる鍼と分からない鍼/医師が頼りにできる鍼灸師に
付録 資料編東邦医学社組織表経絡治療座談会を読んで・「経絡治療座談を読んで」に答う鍼灸経絡治療夏期講習会(第1回経絡治療夏期大学)テキスト